拡大するグローバルコインーー国際送金を独自通貨「USC」で効率化、FnalityがMUFG含む大手金融から5000万ポンド調達

by souta watanabe souta watanabe on 2019.6.10

2019-06-05 08.59.43

ピックアップFnality receives £50 million Series A funding to develop the Utility Settlement Coin

ニュースサマリー:ロンドンを拠点とするブロックチェーン・プロジェクトである「Fnality International(ファイナリティ インターナショナル)」は6月3日、シリーズAラウンドにて、MUFGやNASDAG、 Credit Suisse、Banco Santander、UBSなどを含む計14のファンドから5000万ポンドを調達した。

同プロジェクトの目的は主に国際的な銀行市場における決済手段を生み出すことで、効率性・安全性の高い非中央集権的金融インフラストラクチャーの開発を目指す。具体的には、複数の国の貨幣をバックにした独自の仮想通貨(USC)を発行し、DLT(分散型台帳)の上でそのやり取りを管理し、決済・交換の流動性向上を図る。

FnalityのCEO Rhomaios Ram氏は元ドイツ銀行出身で、同行を22年勤めた経験がある。アドバイザーには元スイス銀行・BIS銀行のDaniel Heller氏が名を連ねるなど、大型の金融機関からの資金調達を成功に導くことのできる経歴を持つメンバーが集結している。

 

話題のポイント:同プロジェクトのHP内にあるFAQでは、プロジェクトのステータスはリサーチフェーズを乗り越え、今まさに実装段階に入るところだといいます。まだ詳細が明らかになっていないことも多いですが、ここでは基本的なプロジェクトの中身を整理してみましょう。

まず、用途としては国際金融市場の決済・交換の効率性や安全性を向上させるために、各国の通貨をバックに発行されるUSCというトークンが発行されるというところまでは前述した通りです。そしてこのUSCというトークンは各通貨と同価値で、同じ会計単位を持つというところもポイントの一つです。

また序盤の説明ではDLT(分散型台帳技術)という言葉を用いましたが、厳密にはプライベート型のブロックチェーン技術です。つまりUSCはビットコインのようなパブリックブロックチェーンを用いた仮想通貨ではないということが分かり、また誰でも自由に売買できる訳ではなく、規制に遵守した機関によってのみ利用されるそうです。

では一体どの通貨をトークン化するのでしょうか。同社の公式発表によれば、最初はCAD(カナダドル)EUR(ユーロ)GBP(ポンド)JPY(円)USD(ドル)の5つが挙げられていました。ただ長期的にはこれ以外の通貨にも対応していく方針で、12カ月以内に上記5つのうち1つの通貨が取り扱い可能になるとしています。その後はその通貨を用いたアプリケーションの開発などを実施していくそうです。

少し前に本誌ではFacebookの独自仮想通貨である「グローバル・コイン」について取り上げましたが、今回の例も同じく、DLT及び仮想通貨技術が、特に金融領域で大きく期待され、活用が見込まれていることが分かります。

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