海外ECで購入した商品の国際転送サービスを展開する香港Buyandship、プレシリーズBラウンドでIVPなどから220万米ドルを調達

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Slush Tokyo 2018 で PR TIMES 賞を受賞した Buyandship の CEO Wilson Chan 氏(右)
Image credit: Masaru Ikeda

香港を拠点とする越境 EC 発送スタートアップ Buyandship は、既存投資家である Infinity Venture Partners(IVP)をリードインベスターとするプレシリーズ B ラウンドで220万米ドルを調達したことを明らかにした。このラウンドには、Buyandship の経営陣に加え、アジア特化の VC である SQ Capital と、名前非開示の複数の戦略的エンジェル投資家も参加した。

調達した資金は、オペレーション効率の改善と市場拡大に使われる予定。

オペレーションに関しては、Buyandship は高度な倉庫自動化システム、ショッピング手順の単純化、ワンクリック購入ツールを採用し、同社の物流とショッピング体験を効率化する。市場拡大については、東南アジアで新市場を開発するほか、シンガポール、マレーシア、台湾、インド、アラブ首長国連邦(UAE)など既存市場でプレゼンスの強化を図る。

2014年に設立された Buyandship は、EC 顧客向けにグローバルな発送サービスを提供している。海外事業者からの国際発送や取引、製品、他で手に入らない品などの入手に、顧客は同社を選ぶことができる。顧客は同社に1ポンド(約450グラム)あたり最大で22香港ドル(約305円)を支払い、自宅か数百以上ある配達ポイントで荷物を受け取ることができる。

500 Kobe 2018 のデモデイでピッチする Buyandship CEO の Wilson Chan 氏
Image credit: Masaru Ikeda

現在は日本、韓国、中国、台湾、アメリカ、イギリス、イタリア、オーストラリアで、荷物の受取代行と倉庫からの転送業務を行なっている。これらの倉庫から香港への定期便は週に一度の頻度で配送され、配送料は荷物の大きさではなく重さで決定される。

Buyandship は2017年中ほどにシリーズ A ラウンドをクローズし、中国、マカオ、台湾、日本、インド、マレーシア、シンガポール、UAE に進出した。ユーザは32万人以上。eBay、StockX、GLADD、Drop などの事業者とは、彼らのアジア進出の支援する提携を締結している。

OECD が発表した2018年の報告によると、アジアの EC 客は地元市場だけでなく海外ブランドから直接購入することを希望しており、これにより越境 B2C コマースは急速に成長しているとされる。アジアへの越境 EC は年平均でおよそ18.8%伸び、2021年までに取扱高は9,000億米ドルに達する見込み。中国からの需要だけでも、この金額の3分の2を占め、ベトナムやインドネシアはより高い成長率を見せることになるだろう。

Buyandship の共同創業者で CEO の Wilson Chan 氏は、アジアの EC 客は多くの場合、価格の違いから商品を選ぶ傾向にあると語った。

香港でダイソンの商品を小売店で買う場合4,000香港ドル(約55,300円)しますが、海外のオンラインストアからなら1,800香港ドル(約24,900円)で買えます。50%以上安くなる場合、顧客は自然に海外のストアから買いたがります。

我々の目標は、ユーザのための国境の無い国際的な EC ネットワークを作ることです。そうすることで、ユーザは Buyandship を通じて簡単かつ快適に、世界中から最高の掘り出し物の購入を楽しむことができます。最先端で進歩的な EC 物流サービスが必要なときに、Buyandship のことを思い出してくれるでしょう。

【via e27】 @E27co

【原文】

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