ピックアップ:ReUp Education Raises $6 Million Series A to Help College Dropouts Return
ニュースサマリー:復学支援サービスを提供する米国のスタートアップ「ReUp Education」は6月6日、シリーズAラウンドにて、7つの投資家より600万ドルを調達した。
同ラウンドをリードしたのはTDM PartnersとHereditas Capital Managementで、既存投資家のSerious Change、Strada Education Network、Impact Engine、Michelson Runway、Bisk Venturesも参加している。2015年に創業し、サービス提供から3年が経過した同社にとって、今回は2回目の調達となる。
同社のサービス内容はいたってシンプルで、退学を余儀なくされてしまった生徒達を、コーチングや学習サポートを通し復学させることだ。生徒に対するサポートは、メールや電話、ソーシャルメディアを通して何回にも渡って実施される。生徒が復学するまでに平均で50回以上のコンタクトを取るという。
ビジネスモデルは学校に報酬をもらうエンタープライズ型。具体的には、生徒が復学するまでに必要とした学期の分だけ、大学はReUpに料金を支払うシステムになっている。成功報酬型で、復学が成功した場合にのみ支払われることになっている。
学校側は、生徒が復学すれば卒業率の上昇や授業料の回収などの面でメリットがある。退学した生徒にとっても、再び学業をスタートでき、卒業を諦めずに済むことにつながる。

話題のポイント:ReUpが対象としている市場アメリカでは、40%以上の学生がコミュニティカレッジ、あるいは大学をドロップアウトしています。その数は年間で数百万人に及びます。理由は経済的問題や、仕事、家族、健康にまつわるものまで様々です。
そしてさらに問題なのは、そのような生徒のほとんどが非常に多くの借金を抱えたまま卒業してしまっているという点にあります。大学を卒業できなければ、良い仕事に付くことはできないため、借金を返すのにも苦労します。
学生のある時点で借金はあってもドロップアウトさえしなければ、将来的な苦労は減少するというケースも存在します。ですが現状では上述したような理由で勉強についていけなくなり、退学を選んでしまう学生が少なくありません。
そのような学生の課題を解決するのがReUpの役目です。驚くことに、ReUpはこれまで30以上の大学およびコミュニティカレッジで、8000人に及ぶ学生の復学をサポートし、約1800万ドルの資金回収を成功させています。この実績はReUpが13万人の学生を対象にしたデータ収集・分析の結果によるものだと言えます。
データ収集・分析とは具体的には、収集したデータを元に、どの生徒にはどのタイミングでどの程度の援助が必要なのか、そして何が最適な援助であり、それはいつまでなのかといったことを仮説・検証することです。
さらに素晴らしいことに、現在学生へのコンサルタントとして活躍する10名ほどのスタッフのほとんどは、過去にReUpによって支援を受けた人々だそうです。ReUpが行なっていることはシンプルですが、それでもこれまでになく、かつソーシャルなプロジェクトとして、今後の進歩が期待されます。
BRIDGE Members
BRIDGEでは会員制度の「Members」を運営しています。登録いただくと会員限定の記事が毎月3本まで読めるほか、Discordの招待リンクをお送りしています。登録は無料で、有料会員の方は会員限定記事が全て読めるようになります(初回登録時1週間無料)。- 会員限定記事・毎月3本
- コミュニティDiscord招待