Web接客ツール開発・提供のSprocket、シリーズBで2.8億円を調達——XTech Ventures、Salesforce Ventures、キャナルベンチャーズから

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左から:キャナルベンチャーズ 代表取締役 保科剛氏、XTechVentures 共同創業者 ジェネラルパートナー 手嶋浩己氏、Sprocket 代表取締役 深田浩嗣氏、Salesforce Ventures 日本代表 浅田慎二氏
Image credit: Sprocket

統合 Web 接客プラットフォーム「Sprocket(スプロケット)」を開発・提供する Sprocket は4日、シリーズ B ラウンドで2億8,000万円を調達したことを明らかにした。このラウンドに参加したのは、XTech Ventures、Salesforce Ventures、キャナルベンチャーズ。同社は2015年にシードラウンド(1億2,000万円を調達)、2017年1月にシリーズ A ラウンド(D4V やアコード・ベンチャーズなどから1億6,000万円を調達)を実施しており、累積での調達金額は5億6,000万円となる。

同社は、モバイルデベロッパとして知られる「ゆめみ」からスピンオフする形で2014年4月に設立(これまでにも、ゆめみからはスピカなどがスピンオフして設立されている)。EC サイトなどを中心に、ユーザのコンバージョン向上を支援するプラットフォーム Sprocket を提供している。画面の遷移状況などからユーザの心理や意図などを推測し、シナリオに沿って絶妙なタイミングで POP アップメッセージや特典などを提示、ユーザに購買ページや特定コンテンツに誘導する。

この種のサービスは Sprocket 以外にも複数存在するが、その中で Sprocket が成長を続けられているのは、サイトオーナーのカスタマーサクセスにコミットしている点ではないかと、Sprocket 代表取締役の深田浩嗣氏は語ってくれた。

ポップアップを出す仕組みには違いないが、ただそれだけではなく、サイトを訪問するユーザに、それまでと違ったコミュニケーションができる仕組みを提供している。サイトオーナーのカスタマーサクセスに踏み込んでシナリオを設計し、運用面でも Sprocket が伴走する形をとっている。(業務を効率化する)社内の RPA 的なものを作り込んでいたり、分析ツールも結構強かったりするのも強み。

Image credit: Sprocket

新規オーナーには、Sprocket に支払う料金に対して、どの程度の売上増が見込めれば良いかをオーナーに質問している。実際に Sprocket を導入してみると、業種にもよるが、その目標ラインの6〜7倍を上回る結果が出る事例は少なくないそうだ。Sprocket はこれまでに200社程度に導入しており、今後、2年の間に現在の3倍程度にまで顧客を増やす計画だ。

今回出資した Salesforce Ventures は、親会社の Salesforce.com が Commerce Cloud や Marketing Cloud といったソリューションを有しており、Sprocket とのシステム上での連携や営業連携が見込める。キャナルベンチャーズの親会社は日本ユニシスであり、こちらは同社のシステムインテレグレータの事業を通じて Sprocket への顧客流入が見込める。XTech は出資先スタートアップやエキサイトなどで、EC をはじめとする各種サイトのコンバージョン向上に Sprocket を導入する可能性が考えられる。

Sprocket の競合としては、プレイドの「KARTE」、Supership の「Flipdesk」、NTTドコモの「ec コンシェル」、Emotion Intelligence の「ZenClerk」などがある。

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