街の渋滞をビッグデータで解決、公共交通機関向けMaaS「Swiftly」が1000万ドル調達

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ピックアップSwiftly Raises $10 Million in Series A Funding to Scale a Mobility Operating System for Cities

ニュースサマリー:公共交通機関を対象としたビッグデータ解析企業「Swiftly」は8日、シリーズAにて1000万ドルの資金調達を実施したと発表した。同ラウンドに参加したのはVia ID、Aster Capital、 Renewal Funds、 Total Energy Ventures、 Samsung NEXT、 RATP Dev、 Wind Capital、 1776、 Plug and Play Group、 Elemental Excelerator and Stanford StartX-Fund。同社はブログにて、意図的に伝統的なVCファームでなくモビリティー領域に特化したファンドを選択したと強調している。

同社は電車やバスなどの公共交通機関向けに、位置情報ビッグデータを利用したシステム運用や、根本的なルート改善策などを提供している。位置情報から機関に悪影響を及ぼしている箇所や場所を特定しやすくする。

また同社は、カスタマーサービスセンターなど向けにロケーションビッグデータを生かした、リアルタイムにおけるバスや電車の「遅延」を正確に分析可能なサービスを提供している。同社によれば既存のサービスに比べ30%以上の正確性を誇るとしている。

話題のポイント:公共交通機関向けMaaS(Mobility as a Service)を提供しているのがSwiftlyです。今までも、例えば渋滞でバスが10分遅れるという事実を伝えてくれるアプリなりサービスは存在していました。Swiftlyはその「情報」をより正確に伝えることに加え、それをビッグデータとして生かすことで根本的な渋滞原因を突き止めることを最終的な目的においています。

同社のミッションはアルファベット4文字「Make Cities More Efficiecncy(街を、もっと、効率よく)」で表現されています。同社はこのミッション達成のため、公共交通機関を運営する市と連携し、現段階において55の都市・2500の交通機関とパートナシップを結んでいます。

また、同社が提携を結んでいる市内であればGoogle Maps上においてもSwiftlyの恩恵を受けることが可能です。以下のように、リアルタイムの交通機関の条件・情報を参照しベストルートやスケジューラーを利用できます。

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上記でも述べたように同社の最終的な目的は市内公共機関の根本的な改善にあります。

例えば、同社のプラットフォームを用いればバスの停車駅の場所を微妙に調整することで渋滞を解消へ向かわせることも可能です。パブリックトランスポーテーションといえば、「遅れることは避けられない」という考えが一般的でした。インターネットによって、「遅れている」という情報にアクセスすることは誰でも出来るようになりました。

Swiftlyが目指す次のステップはその情報を利用した根本的な改善にあり、まさにMaaSの活用例のひとつと言えるでしょう。

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