Ant Financial(螞蟻金融)曰く、「中国のブロックチェーン環境は〝親イノベーション的〟」

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2年前に行われた、中国当局による仮想通貨とイニシャル・コイン・オファリング(ICO)に対する取り締まり以降、この技術に関する勢いはすっかり鳴りを潜めてしまった。

Ant Blockchain(螞蟻区塊鏈)で市場リサーチ担当を率いる Steven Wang 氏は5月23日、カンファレンス「Emerge by TechNode」のパネルディスカッションで、2017年以前の中国では、ブロックチェーンの概念は仮想通貨と関連づけられることが多かったと述べた。今では、2つのバズワードは明確に区別されており、Wang 氏はこの変化を前向きにとらえている。Wang 氏はパネルディスカッション後に行われた TechNode のインタビューの中で次のように述べた。

企業は、ただ新しい別のバブルを生み出すのではなく、現実にある問題を解決してくれるブロックチェーンのアプリケーション実装に関心を持つようになっています。

Ant Financial(螞蟻金融)は昨年、業界を支配する5つの主要技術の1つとしてブロックチェーンを挙げていた。これまでに、ブロックチェーンを基盤とする医薬品処方や電子請求などの公共サービスで同技術の実装に向けて関係当局と取り組んできている。フィンテック大手の同社は2月、ブロックチェーン子会社を正式に設立した。

Wang 氏によると、中国のブロックチェーンに対する規制環境は、親イノベーション的であるという。

ブロックチェーンの開発に向けて、関係当局や業界団体から実に多くの支援があります。中国では健全な方法でブロックチェーンを発展させようとする力が強く働いていますので、恐れるようなことはありません。

同氏によると、政府機関はますますブロックチェーンに関心を寄せるようになっており、実績の証明された応用事例や実際に適用されているユースケースに対して開かれた姿勢を示しているという。

公共サービスをもっと効率的にしようと、実際に協業する方法を探るために弊社のところに来て、弊社の技術を活用することに関心があるのです。

Wang 氏は、公共サービス以外にも、今年はブロックチェーン業界に進出する企業の数が増え、その技術を他の事業に活用する動きが広がるとみている。

今後について Wang 氏は、すでに協業している Hyperledger Fabric など、多くのオープンソースプロジェクトを支援する計画があるという。同社では、技術には関心があっても自社ソリューションを開発する技術的な能力がないといった他の企業に対しても、ブロックチェーンにアクセスしやすくする方向を探っている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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