返済できなかったらスマホ停止!「PayJoy」ーー新興国の人々を救うスマホ・ローンが切り開く新たな「金融包摂」の可能性

by souta watanabe souta watanabe on 2019.6.2

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ピックアップU.S. smartphone financing tech startup PayJoy raises $20 mln

ニュースサマリー:5月20日、消費者のスマートフォン購入資金を支援する「PayJoy」はシリーズBラウンドでGreylock Ventures含む4つのファンドから2000万円を調達した。今回の調達により同社の累計調達額は7000万ドルを超えている。

PayJoyは、消費者がローンを組んで購入したスマートフォンに独自のロッキングAPIシステムを組み込むことで、もし仮に消費者の返済が遅延又は停止した場合にスマホを停止するというサービスを提供する。同社のサービスはスマホ販売関連企業向けであり、技術は特許取得済みだ。

一時的に返済が滞りスマホが停止したとしても、その後消費者がPayJoyアプリを通して再び支払いを行えば、PayJoyのソフトウェアが作動し、またスマホは動くようになる。このようなインセンティブ設計によって、消費者の返済率は高まるだけでなく、販売会社はスマホ購入の許可を下しやすくなる。

 

話題のポイント:例えば日本をイメージしてみると、もともと大半の国民が社会的な信用を持っている国では、スマホ購入の際のローン契約(割賦販売など)は常識的な光景です。

ですがPayJoyが始まったアメリカ社会では、例えば最も大きな信用スコアサービスである「FICOスコア」などの信用スコアが高くない人々は、クレジットを利用しモノを購入することができません。そのような”信用を持たぬ人々”に対し、スマホ及び金融サービスを受ける機会を提供するというのがPayJoyが始まった理由です。

同社のブログでは、提携企業はPayJoyを活用することで消費者のデフォルト率を50%減少させ、かつ販売許可の割合を10%〜90%まで上昇させることに成功した述べています。筆者の感覚的な意見ですが、信用スコアを持っていない人々のデフォルト率が半減するというのは素晴らしい効果だと思います。

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2015年に米国とメキシコ始まった同サービスは着々とユーザー数と提携企業数を増加させ、特にアフリカや南アメリカ、インドなどの新興国を中心にサービスを拡大させています。今回の調達は、さらなるグローバル市場へのサービス展開を見越したものです。

消費者は、PayJoyを導入したキャリアを選択することで、スマホだけでなく”信用”を得ることができます。信用を得られるということは、その後新たな与信を受ける可能性を上げることにも繋がるので、一石二鳥以上の機会を享受することができるということです。

PayJoyは今後、ロッキング技術を冷蔵庫やテレビといった家電製品にも対応させ、新たなショッピングローン市場を開拓する見込みです。信用のないところに信用を作り出す、まさに”Financial Inclusion(金融包摂)”を体現したサービスとして、同社の今後の進化にはとても期待が高まります。

 

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