電動垂直離着陸機開発のVolocopter、シンガポールで空飛ぶタクシーのテスト飛行に向けた着陸施設を開設へ

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電気スクーター交通アプリに大量の資金が流れ込み、アーバンモビリティは投資家にとって最も人気を集める業界になりつつある。一方、ウォールストリートでは過去数か月の間に2社の配車サービスが上場果たしている

「飛行タクシー」やその他の素晴らしい飛行機械が、急成長する都市の交通産業で競い合っており、ここ数年間は空にも注目が集まっている。

競合がひしめく中、Volocopter は次のステップとして電動垂直離着陸(eVTOL)機を市場に投入する計画を発表した。同社は Intel や Daimler などの大手企業から3,000万米ドル以上を調達している。2012年にドイツで設立された Volocopter は、イギリスに拠点を置く Skyports、およびデザインエージェンシーの Brandlab とタッグを組んで、自社の飛行タクシーテスト用着陸施設のプロトタイプを作成し、今後のサービスの広がりについて提示している。Skyports は、今後期待される都市における着陸施設の需要の伸びに対応するために、垂直離着陸用飛行場の建設を必要とする屋上や一等地などの不動産に投資する企業である。今回の Volocopter との提携により、シンガポールで初となる、現実的な垂直離着陸用飛行場の建設に拍車がかかることになる。

昨年報道されたニュースによると、シンガポール政府は Volocopter とタッグを組んで2019年に飛行タクシーのテストを始めるとのことである。また、その後の発表によると、安全性は確認されているものの、最初のテストは水上で行われるという。これ以前にも、無人テストが他の地域で行われており、2017年にはドバイでも実施されている。

Volocopter が、18個の静音ローターを搭載し1本の操縦桿で操作できる、2人乗りの電動垂直離着陸機を開発していることはすでに知られており、同社の乗り物で人々が空港と都市の中心地の間などを短時間で行き来できる日が来ることが予測されている。しかし、目の前には障害もある。Volocopter や、電動垂直離着陸機業界に参入しているその他の企業は、安全性を証明し、当局と連携して一般使用に向けた承認を得る必要があるのだ。

Volocopter のコンセプトイメージ

Volocopter は過去に、「Volo-Port」が大量に並ぶコンセプト画像を披露している。Volo-Port は電動垂直離着陸機専用の飛行場で、このコンセプトでは最初の Volo-Port はシンガポールに建設されることになっている。

Volo-Port の雰囲気は従来の空港ラウンジに近いものになっており、顧客用のサービスデスクが備わっている。また、離着陸機から乗客が乗り降りするための小さな離着陸場もある。

Volo-Port のコンセプトイメージ

最終的な目標は、Volocopter のコンセプトを離着陸場という形で実現し、最終的なデザインを固める前に当局担当者や取締官に訪問してもらって意見を訊くことである。

Volocopter の共同設立者である Alex Zosel 氏は次のように語る。

飛行タクシーの営業許可が出るのも時間の問題で、決して不可能なことではありません。今、私たちは空の交通整理、都市における規制、離着陸インフラなど、アーバンエアモビリティ(UAM)で必要となるエコシステムの構築に取り組んでいます。皆さんが思っているよりも早く、空と都市のレベルで規制が整備されると思いますが、そうなれば私たちの出番です。

今回の事例が Skyports と Volocopter による共同プロジェクトであることは間違いないが、他の eVTOL 開発企業にとってもメリットはある。ただし、どのような事業内容になるかは現時点では不透明だ。

Volo-Port はモジュールになっているため、後で拡張が必要になった場合でも別のポートを接続することができ、どんな環境でも設置できる点も付け加えておきたい。ポートは道路や建物の上など、既存の都市インフラ上またはその周辺に設置される可能性が高いため、こうした適応性は重要になってくる。

Volo-Ports の導入形式

Skyports のマネージングディレクター Duncan Walker 氏は次のように付け加えた。

Volo-Port は単体で使用できるだけでなく、複数とポートと接続してさまざまな形式で使用できます。これにより、短時間で設置できるだけでなく、簡単に拡張することができます。世界中の都市の中心部で利用可能な土地や人々の動きを分析してきました。その結果、現在盛り上がりを見せているアーバンエアモビリティ市場にとって重要なカギとなるのはインフラであることが分かりました。

5年以内に世界中で3,000台もの飛行タクシーが稼働するようになり、2030年にはこれが1万2,000台にまで増加すると予測するアナリストもいる。飛行タクシーの最近の開発状況を見る限りでは、この数字でも控えめかもしれない。

Volocopter は、ここ数年で注目を集めるようになったアーバンエアモビリティスタートアップの1つである。同社と同様、ドイツに拠点を置く Lilium Aviation は同様のコンセプトで1億米ドル以上を調達した。5月第4週、Lilium Aviation はドイツ国内での初飛行を終えた後、5人乗り飛行タクシーの新たなプロトタイプを発表した。また、今年初めには Boeing が自社の「飛行車両」のプロトタイプのテストを開始した。他の企業もこの市場に参入しているが、Airbus は昨年、自社初となる無人飛行タクシーのテストを完了させた。また、Uber はパリに飛行タクシー研究施設を設立するために2,400万米ドルを投じた

【via VentureBeat】 @VentureBeat

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