Go-Jek対Grab、APACモビリティー市場覇権争いに「スクーター版テスラ」Gogoroが参戦

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Gogoro GoShare-scooter

ピックアップ:Gogoro brings its on-demand electric scooter rentals to Taiwan

ニュースサマリー:台湾を本拠地に置きスマートスクーターを開発するGogoroは5日、同社電動スクーターを利用したオンデマンド型スクーターシェアリングサービス「GoShare」を開始すると発表した。本格的なサービス開始は今年9月を予定し、数年以内のグローバル展開を進める。

同サービスはIntelligent Communitu Forum (ICF)が主催するカンファレンスにて、Smart21 Communities of the Yearにも選出されている台湾・桃園市(Taoyuan)にてローンチ予定。

Gogoroは2011年創業。ガソリンを全く利用せず、スマホアプリと連動する電動スクータを提供するモビリティーテック企業。スマホで燃料確認ができたり、ライダーの乗り方をAIで学習させることで燃費を効率化させるなどの特徴を持つ。

話題のポイント:スクーター版テスラ、との呼び名もある台湾発のスタートアップがGogoroです。リード投資家にはシンガポール政府ファンドTemasekを抱えるなど、グローバル、特に東南アジアにて大きな期待を集めています。近年では、LimeやBirdなど北米における電動スクーター市場も活気を見せつつありますがその実情はどうなのでしょうか。

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Statista

上図はStatistaが公開した2016年度における電動スクーターの売上高を表したものです。APACが断トツで突き抜けており、それに次いで西ヨーロッパという勢力図となっています。確かにヨーロッパ諸国へ行くと、街中でシェア型電動スクーターを見かけるケースが多くなってきましたが、それはあくまで「ドックレス型」で自転車の延長線上にあるものです。

東南アジア諸国では車より安価な点や移動の楽さなどの観点から、スクーターを「所有」するカルチャーが根付いているため、同地域におけるスクーターは車の延長線上にあります。

<参考記事>

東南アジアでは既にGo-JekやGrabがバイクタクシー分野で台頭していますが、GogoroもGoShareを通して同市場に入り込む余地は大いにありそうです。以前、Lyftの電動自動車オーナーに対する戦略を分析した記事が参考になるかと思われます。

特にGogoroは自社のハードウェア、そしてスマホとの連携で電動スクーター自体がユーザープラットフォームとなっており、ユーザーにパーソナライズされた体験を容易に提供できる位置にいます。Gogoroのシェアリング市場参入によって、東南アジア・APACの勢力図に変化が起こるのか注目です。

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