Googleの気球を利用したインターネット網構築「Loon」がケニアにて商用試験開始へ、長時間の飛行課題をクリア

by Taishi Masubuchi Taishi Masubuchi on 2019.7.12

Capture

ピックアップ:Google internet balloon spinoff Loon still looking for its wings

ニュースサマリー:Googleが進める気球を利用したインターネット網プロジェクト「Loon」がケニアにて商用試験を開始する段階にあるそうだ。2日にロイターが報じたもの。同プロジェクトは、発展途上国や山岳地帯などのインターネットサービスが安定していないエリアに対し空から安定的なインターネット網を構築させるといったもの。

ケニアにおける商用試験では、現地で三番手のキャリアとなるTelkom Kenyaとパートナシップを組む。同国における山岳地帯の農村に対し、市場と同額の値段層にて4Gインターネットサービス提供を実施する。

ロイターによれば、同プロジェクトは現在ケニア政府による許可待ちで、早ければ今月末には申請許可が下りる予定だとされている。

話題のポイント:インターネットの再構築を目指すGoogleのプロジェクトがLoonです。今回のケニアにおける実験は「商用」を目的としたものですが、今までにも災害時などに緊急でインターネットを届けるためにバルーンを通したインターネット提供を同プロジェクトは実施してきています。

直近の例として、ペルーやプエルトリコで発生した自然災害によるインターネット網不安の解消があります。現地キャリアと組んで無償にてインターネットを届けることに成功しています。2011年から始まった全世界にインターネットを届ける同プロジェクトが、今回ようやくマーケットエントリーしようというわけです。

Capture.PNGこれまでと違った方法でインターネットを世界中に届けようというプロジェクトを進めているのはGoogleのみではありません。複数の人工衛星を通して、全世界に低額な高速インターネットの提供を目指すOneWebやSpaceX、FacebookのDronesなどがそれです。

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Loon Official Linkedin

あまり宇宙産業に着目していないと同業界のアップデートは耳に入ってこないかもしれませんが、Loonが数日前に興味深い投稿をLinkedInにてしていたのでご紹介します。上図は、Loonがペルー/プエルトリコで実際に使用した、またケニアでも利用予定の気球と同様技術が利用されている気球「P-496」の軌跡をマッピングしたものです。

プエルトリコを飛び立った気球は、東へ進みアフリカ大陸を通過。オーストラリア大陸を越え、ペルーへの帰還に成功しています。同投稿によれば、昨年11月に出発し223日後に着陸したとしており、安定的な飛行が実証されていることが伺えます。

Loonの気球は長時間飛行を実施するために太陽光を利用していますが、今までこれが弱みであると指摘され続けてきました。太陽を遮る悪天候や、その他強風時など断続的・安定的な利用が空の上で可能なのか、と。その面での改善は着実に進んでそうですし、それを保証する数値的成果や結果は時間の問題といえるでしょう。

さて、Loon公式が昨年9月に公開した「1 connection, 7 balloons, 1,000 kilometers」と名のついたブログでは米国ネバダ州・カリフォルニア州にて7台の気球を打ち上げ1000kmのインターネット通信に成功したことを公表しています。

ネバダ、カリフォルニアといえばネットワーク環境が安定しない山岳や砂漠が存在するエリア。まさに、空の上を通したインターネット網の実験に相応しい環境だったのでしょう。

同ブログの最後にも、今回ケニアで決まった商用実験の重要性を指摘していました。これらの実験を通して、断続的・安定的な気球の打ち上げを世界中で増やしインターネットの再構築を目指すそうです。数年後、日本上空で気球を見る日がやってくるかもしれませんね。

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