
ニュースサマリ:AR謎解きゲーム「サラと謎のハッカークラブ」を展開しているプレティアは7月26日、セガサミーホールディングス、TBSイノベーション・パートナーズ、オー・エル・エム・ベンチャーズを引受先とする第三者割当増資の実施を公表した。調達した資金は合計で2億8000万円。出資比率などの詳細は非公開。調達した資金でコンテンツ強化、商業施設への展開を開始する。
<参考記事>
ARスタートアップのプレティア、渋谷を舞台にしたAR謎解きゲーム「サラと謎のハッカークラブ」を8月4日から開催へ
プレティアの提供するAR謎解きゲームは、ユーザーがスマートフォンを使って実際の街の中や施設を歩き回りながらストーリーを進めていくもの。2018年7月から予約開始、8月から渋谷で開催しており、20代を中心に順調に参加者数を伸ばしている。
特にグループで参加する傾向が強く、グループ単位での平均参加者数は2.1人で、同社の説明によれば7割以上が恋人や友人と一緒にゲームを楽しんでいる様子が伺えるという話だった。また、飲食店を周遊ルートに設定すると、半数以上が該当の店舗を利用するなど送客装置としての活用も期待されている。今後、今回調達した資金でショッピングモールや百貨店等への展開を強化する。
話題のポイント:ARゲームといえばポケモンGOが強烈なヒットを飛ばしたのが記憶に新しく、第二弾として提供されている「ハリー・ポッター:魔法同盟」もポケGOほどではないものの、周囲で楽しんでいる人が多いようです。
ARゲームのよいところは実際に野外に出て歩き回る点です。これを小売などの事業者サイドからみると、いわゆるOMO(Online Marges Offline)戦略の一手として活用することが想定されます。実際、ニュースにもあった通り、周回ルートに商業施設を入れると半数以上のユーザーが立ち寄りをしてくれるというお話でした。

では具体的にどういう準備が商業施設側に必要なのでしょうか。プレティアさんの説明によれば、受付やユーザーが事前にスマホを充電できる準備用のブース、Wifi環境、スマートフォンを持っていないユーザーのための端末レンタル、あとは看板やポスターなどのブース装飾があれば実施できるということでした。受付に必要な人員も利用数百名に対して1、2名ほどということで、運用に関しては極力コストを抑えて回遊促進ができるようです。
なお、ユーザーが参加費を払うモデルですので、事前にアプリダウンロードや予約決済を済ませているという前提になります。この辺りは告知の必要があるのでそういった予算も必要になるかもしれません。なお、ゲーム体験中の問い合わせについてはLINE@でリモート対応しているそうです。
ビジネスモデル的にはケースバイケースで進めているというお話で、例えば今ある謎解きゲームをベースにするのであれば、カスタマイズする開発費用をイニシャルに設定し、その後、ユーザーからの参加費をプレティアとレベニューシェアするようなケースがあるそうです。これであれば、商業施設側は回遊促進だけでなく、催事などが開催できないスペースの収益化が見込めます。
この辺りは実際のユースケースが出てきた際に改めて定量的な情報を共有できればと思います。
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