福岡のコンテンツ管理ツール開発スタートアップQurate、凸版印刷との協業でSNSアカウントの運用を効率化する「Social Focus」をローンチ

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「Social Focus」
Image credit: Qurate

福岡を拠点とするスタートアップ Qurate は9日、凸版印刷(東証:7911)と共同で、企業向けに SNS アカウントの運用を効率化するツール「Social Focus」をローンチした。

Social Focus を使うと、例えば、あるブランドが複数の商品やサービス毎に Facebook、Twitter、Instagram などの SNS アカウントを持っていた場合、それぞれのアカウントを通じた投稿は、商品やサービスの担当者レベルで実行することができ、その運用は責任者が一元管理することができる。SNS を使った際のユーザ反応の分析のほか、バイラリティ率、エンゲージメント率などのメトリクスを測定可能だ。

Qurate は、これまでコンテンツ・マーケティングに特化した SaaS として「Qurate」を開発してきた。こちらは、SNS のほか、ランディングページ、ブログなど、文字通り一連のコンテンツを統合管理できるプラットフォームだ。一方、Social Focus は SNS 運用に特化しており、事実上、Qurate の中から SNS 運用に特化した機能を切り出し、より発展させたものとなる。

「Social Focus」のダッシュボード
Image credit: Qurate

Qurate の創業者で CEO の Tom Brooke 氏によれば、今回の凸版印刷との取り組みは、凸版印刷が実施するオープンイノベーションプログラム「co-necto(コネクト)」を通じての両者間の協業によるもの。Qurate は co-necto の2018年度に最優秀賞を受賞しており、SNS マーケティングを支援するツールを提供すると発表していたが、市場適合を考慮して、SNS 管理に特化したツールを提供する形に落ち着いたようだ。

凸版印刷は昨年来、中期経営計画の中で「トッパン・デジタルトランスフォーメーション(T-DX)」を打ち出していて、IT 市場への本格参入を発表している。今回の Qurate との協業もこの T-DX の一環に含まれ、凸版印刷は Social Focus を社内プロジェクトに利用するほか、顧客先であるメーカーや流通関連企業へ販売、2020年度に関連受注を含め約10億円の売上を目指す。1社あたりの料金は月額数万円程度になると見られ、初期ユーザには無料トライアルの機会が提供される。

Qurate は、ロンドンから福岡に移住した Brooke 氏が2014年に設立。福岡と海外相互のスタートアップ支援を強化する「Fukuoka Global Startup Center」においては、スタートアップのイギリス進出支援を担当している。2017年の香港 RISE に向けたピッチ東京予選で優勝を果たした。

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