テック界でシンガポールから新たなビリオネアが誕生、Espressif Systems(楽鑫) のTeo Swee Ann(張瑞安)氏とは何者か?

by Tech in Asia Tech in Asia on 2019.7.31

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テック企業が上場する中国版の NASDAQ 型証券取引所「Star Market(科創板)」は好調な滑り出しを見せている。Star Market には25社が上場し、取引開始初日には上場企業の株価も上昇している。

その陰で、シンガポールでも新たなビリオネアが生まれている。

Teo Swee Ann(張瑞安)氏
Image credit: Espressif Systems(楽鑫)

Espressif Systems(楽鑫 の CEO 兼設立者の Teo Swee Ann(張瑞安)氏だ。上海に本社を置く同社は、活動量計やスマートリストバンド、スマート電球などの IoT デバイス用の低出力・低コストチップを専門に扱う半導体企業である。

同社の IPO 目論見書に記載された情報から Tech in Asia が概算したところによると、本記事の執筆時点での Teo 氏の純資産はおよそ10億5,000万シンガポールドル(7億8,400万米ドル)におよぶ。この数値は Espressif Systems の最新の株価である1株当たり150人民元(21.8米ドル)から算出したものである。

Teo 氏は株式公開前に同社の株式の58.1%を保有していた。新株発行後の同氏の株式保有率は43.6%になっている。

Espressif はこの件に関してコメントを差し控えている。

Teo 氏は生まれも育ちもシンガポールであり、1993年には同国でもトップクラスの学校である Hwa Chong Junior College(華中初級学院、現在の Hwa Chong Institution=シンガポール架橋中学)を卒業している。2000年には電気工学の修士号を取るべくシンガポール国立大学に入学している。

自身で Espressif を設立する以前には数社で半導体エンジニアとして働いていた。Espressif の投資家には Intel Capital や、中国のコングロマリット Fosun Group(復星集団)が名を連ねている。

同社は黒字経営と成長を続けており、2018年の収益は前年の2倍近くとなる6,900万米ドルであった。少なくとも過去3年は黒字経営になっており、昨年の純利益は1,370万米ドル(収益の20%)であった。

ESP32が同社の代表的なチップで、これにはプロセッサーと内部メモリー、Wi-Fi、bluetooth、センサーなどが搭載されている。

ESP32
Image credit: Espressif Systems(楽鑫)

Teo 氏の純資産は Espressif の株価のパフォーマンスによって上下する。一部のアナリストは、Star Market のバリュエーションは見せかけだけのものだと考えており、実際、取引開始2日目には株価を大きく下げる場面もあった。

Espressif はこのような動きを否定しており、同社の株価は公開当初の9.10米ドルよりも高値で取引されている。

とは言え、同社の企業価値は16億7,000万米ドルであり、年間純利益マルチプルで73倍、年間収益マルチプルで25倍にまで達している。これは Qualcomm や Broadcom といった半導体大手よりもはるかに高い数値だ。

Espressif はこうした企業とは異なり、最近の実績を見る限りでは今後の急速な成長が見込まれる。

1つ問題があるとすれば、Teo 氏がすぐには持ち株を現金化できないであろうことだ。通常、多くの企業はロックアップ期間を設けており、既存の株主は上場後すぐに株式を売却できないことになっている。

目論見書によると、Teo 氏のロックアップ期間は36ヶ月のようだ。

シンガポールのテックビリオネアには、他にもオンラインエンターテイメント・e コマース企業 Sea の設立者である Forrest Li 氏や、ゲーム用ハードウェア企業 Razer の設立者 Tan Min-Liang 氏などがいる。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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