FB傘下・WhatsAppによるインドでのペイメント拡大戦略ーーLibraとの棲み分けはどうなるのか

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2019-07-13 14.16.58

ピックアップWhatsApp To Focus On Digital And Financial Inclusion In India: Abhijit Bose

ニュースサマリー:インド経済のデジタル化及び金融包摂はメッセージングアプリで大きく変わるかもしれないーーWhatsAppインド代表のAbhijit Bose氏がInc42の取材に答えたもので、同社はインドでのペイメントサービスの提供を見込んでいるようだ。

”WhatsAppは既にインド人の家族が、インドのどこにいても、または世界中であっても繋がれるという事実を証明しています。そして現在、私たちはそのプラットホームを活用することで、地域や社会、国にプラスの影響を与える事業者のサポートを行なっていきたいと考えています。”

さらに、WhatsAppは医療やAIなど、インドの5つのスタートアップに対し出資も行なっている。このような動きも、将来的にはこれらの企業にWhatsAppのペイメントを導入してもらい、さらなるサービスの拡大をサポートし、インドでの金融包摂を実現するためである。

しかし当のWhatsAppは、現在RBIに対しペイメントライセンスを取得を交渉している最中であり、サービスインできずに立ち往生してしまっているのが現状だという。

話題のポイント:Facebookを中心とする世界的な金融事業の動きに注目が集まっています。本記事ではFacebookとWhatsAppの今後について考察してみたいと思います。

Facebookは6月18日、ステーブルコインLibraと、CalibraというLibra(ステーブルコイン)を扱うウォレットを発表し、またそのウォレットを開発する子会社(Calibra)を設立しました。現時点でWhatsAppとCalibra(ないしLibra)がどのように用途を棲み分けしていくのかは分かりかねますが、長期的にはどんな形であれ、FacebookはWhatsAppに決済機能を導入しようと試みているようです。

<参考記事>

ちなみに、WhatsAppですら現在RBIには非常に嫌われており、なかなかライセンスを与えてもらえない状況ですし、その上をいく仮想通貨という高リスクなサービスCalibaが、一段飛び越えてRBIの認可を受けるという可能性はとても低いと考えられます。したがって現時点で考えるに、Facebookの将来的なビジョンには暗雲が立ち込めている状況とみて間違いないと思います。

<参考記事>

一方、Facebookはコーポレート・ラウンドにてインドのメルカリに類似したスタートアップ「Messho」に出資を行なっており、パートナーシップ関係を築いています。その具体的な内容としては、MesshoがWhatsAppを活用して、ユーザーが商品の売買を簡易化できるように促すためのものでした。

<参考記事>

このケースでは、WhatsAppは単にメッセージング用途でしか利用されていませんが、長期的にはペイメントツール機能の一つとしても、WhatsAppが使われるようになるのを見越した提携だと考えられます。冒頭で記述したWhatsAppによる”金融包摂”というビジョンですが、これはFacebookのLibraのビジョンの一つでもあります。

このように全体を俯瞰してみてみると、Facebookは買収や子会社の設立、新プロジェクトの発足を足がかりに、インド市場で大きな視点のエコシステムを構築しようとしていることがわかります。メッセージングという日々のコミュニケーションからサービス、ペイメントまでまさに入口から出口まで全部、です。

現在は規制によって二の足を踏む状況ですが、5年後にどのような変貌を遂げているのか、注視が必要です。

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