創業1年、少額ローンからPOSまで全部入りのスマホ金融インフラ「Aspire」が3250万ドル調達ーー拡大する東南アジア市場を狙う

by souta watanabe souta watanabe on 2019.8.13

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ピックアップAspire raises $32.5M to help SMEs secure fast finance in Southeast Asia

ニュースサマリー:8月1日、東南アジアのスタートアップ・中小事業者を対象にした少額ローンを提供する「Aspire」がMassMutual Venturesを筆頭に、Y Combinator、Arc Labなど複数ファンドから3250万ドルの資金調達を実施した。同社はY-Combinator出身のシンガポールのスタートアップで2018年に創業した。今回の調達は2回目のシリーズAラウンドとなる。

Aspireは即時の少額ローンを提供するスマホアプリに、POSシステムやクレジットカードの発行、保険などその他様々な機能を兼ね備えており、財政面から全面的に中小事業者・スタートアップをバックアップするサービスとなっている。現在はインドネシア・シンガポール・タイ・ベトナムの4カ国でサービスを提供している。

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話題のポイント:東南アジアが急成長の最中にあるマーケットであり、中小事業者が増加していること、そしてテクノロジーの発展に伴い、新しい技術を兼ね備えた様々なスタートアップが増加していることなどは周知の事実です。実際にASEAN諸国の経済成長率の平均は5.1%であり、地域としては世界でも有数の発展性を持っており、そこには7800万もの中小事業者が存在しています。

しかしそれに対し、先進国と比較した際の未熟な金融インフラ、特に事業体にローンを提供する銀行システムがマーケットの発展に追いつかないことによる、中小事業者の資金不足問題が生じています。銀行はリスクを取りづらい資金提供者であり、ハイリスク・ハイリターンでできるだけ多くの事業体に少額を投入し続ける、といったビジネスモデルが採用しづらいのです。

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社会の発展に伴って増加する新しいビジネスモデルやテクノロジーは、適切なタイミングで適切な資金を投入しなければ、順調に成長することが難しくなってしまうため、そのギャップを埋めるような、異なる資金提供モデルが求められています。こういった背景から手軽に、信用のない小規模な事業者・スタートアップでも借り入れを実施できるAspireのようなアプリケーションが必要とされるわけです。

元Alibabaで同社CEOであるAndrea Baronchelli氏はTechcrunchのインタビューに対し、これまで月に1000件を超えるペースでAspireのビジネスアカウントが開設されており、2018年1月の創業時点から、月に30%の成長率を誇っていると答えています。目標は来年までに10万口座開設を達成することだそうです。

テクノロジーが未発達の時代、爆発的に伸びるマーケットの資金調達需要は、これまでほとんどは銀行のような非デジタルな金融機関がまかなってきました。しかし現代ではソフトウェアを用いることで、既存金融システムが掴みきれなかった多くの小さな需要に応えることができます。Aspireだけにとどまらず、今後の東南アジアはその好例を見ることができる稀有な市場になることでしょう。

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