中国のフィンテックプラットフォーム「9F Group(玖富)」、米国IPOを申請——1.5億米ドルの調達を目指す

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中国のフィンテック企業 9F Group(玖富)が7月25日、米証券取引委員会(US Securities and Exchange Commission、SEC)に新規株式公開(IPO)を申請した。9F Group はこのIPOで1億5,000万米ドルの調達を目指す。

重要視すべき理由:衝撃的な規制上の変更が2017年に始まり、以降フィンテック業界は、アメリカで上場する中国企業の主な出身業界となっている。9F Group は、今年アメリカ IPO で資金調達を目指す複数の中国企業の1つだ。

詳細情報:同社によると、IPO で調達した資金は、消費者金融やオンライン資産管理といった商品の拡大、そして香港や東南アジアへの海外進出に充てられるという。

  • 同取引の共同主幹事を務めるのは、Credit Suisse、Haitong International(海通国際)、9F Primasia Securities(玖富証券)だ。
  • 最新の目論見書によると、同社は「JFG」というシンボルの下、ニューヨーク証券取引所またはナスダックに上場する予定だという。同社は価格条件については公開していない。

背景:フィンテック関係の規制機関が、特にピアツーピア(P2P)レンディング部門における不正行為やリスクを伴う財務活動を厳しく取り締まっており、数多くの小規模プラットフォームが破綻している。9F Group のように生き残った企業に対する監視もますます厳しくなっている。

  • 同社は P2P レンディングから方向転換し、他の消費者金融サービスへと進出している。中国では規制強化に伴い多くのオンラインレンディング企業が同様の措置を講じている。
  • 2006年に北京に設立された 9F Group は、中国で主要なオンライン消費者金融サービスプロバイダーへと成長し、同社プラットフォームの現在の登録ユーザは7,670万人を超えるという。9F Puhui(玖富普恵)、9F One Card(玖富万卡)、Wukonglicai(玖富悟空理財)など、複数のフィンテックブランドを所有する。
  • 昨年末、香港でバーチャルバンキングサービスを提供するためのライセンス取得を目指していた。
  • 中国のフィンテック企業である、オンラインレンディングマーケットプレイスの Jiayin Group(嘉銀)や Xiaomi(小米)が支援するオンライン証券会社の Tiger Brokers(老虎証券)は、両企業とも今年頭にアメリカ株式市場に上場している。Ping An(平安)の支援を受ける Lufax(陸金所)、Ping An のフィンテック部門 OneConnect(壹帳通)、Alibaba(阿里巴巴)の Ant Financial(螞蟻金融)についても IPO の噂が飛び交っている。
  • ロイター通信が匿名の情報筋によるものとして伝えたところによると、直近の資金調達ラウンドを終えて企業評価額380億米ドルとされたオンラインレンディング企業の Lufax は、今週初めに P2P レンディングサービスを終了したとされており、これにより同社はアメリカ株式市場に上場しやすくなる可能性がある。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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