共同創業者Abhishek Gupta氏が語る、シンガポールのMVNOスタートアップCircles.Lifeのこれまでの軌跡

by e27 e27 on 2019.8.21

Circle.Life 共同創業者 Abhishek Gupta 氏
Image credit: Circle.Life

ミレニアル世代が携帯電話を通じて、常にデジタルサービスで世界とつながっている、それが今の時代だ。そんな時代に悪い評判が立ったり、カスタマーサービスの反応が悪いととんでもないことになる。

シンガポールに本拠を置く通信会社 Circles.Life は、多数の新たな機能と OS(オペレーティングシステム)を通信会社に導入することで、通信サービスを次のレベルに引き上げる方法を見つけ出したようだ。

これによって利用者たちに柔軟性と自由がもたらされるだけでなく、運用コストを95%も削減することができるのだ。

長時間待たされたり、請求書の金額が間違っているというような現実的な問題は、価格を引き下げるだけでは解決できません。

Circles.Life の共同設立者 Abhishek Gupta 氏は言う。

e27との今回のインタビューで、Gupta 氏は地元の通信サービス業界や競争、価格戦争、Circle.Life の多様化計画、拡大戦略について語った。

Circles Life は急速に成長していますが、共同設立者のあなたを駆り立てて前進させるものは何なのでしょうか。

最も大きな要因は、私たちが取り組んでいることには大きな可能性があるということです。

これまでシンガポールで行ってきたのは、利用者に主導権を取り戻すことです。Circles.Life と他の通信会社のネットプロモータースコアの違いを見てもらえれば、私たちがそれに成功してきたことがわかると思います。

私たちはシンガポールだけでなく世界中の問題を解決しようとしているのです。

「すでに何百万も利用者がいるじゃないか」と皆さんからはいつも言われています。それに対して私は「いつか利用者が10億人になることを目指しているのです」と答えることにしています。

目標の達成にはまだまだですが、だからこそ私たちも頑張ろうと思えるのです。

Circles.Life は単に売り上げを伸ばしているだけでなく、ものすごい勢いで拡大していますね。台湾とオーストラリアだけでなく、アジア太平洋地域やその他の地域にも進出しようとしているのでしょうか。

今後2~3年の計画としては、アジアで思いつく限りのすべての国に進出していこうと考えています。

シンガポールの近隣諸国の利用者たちにも私たちのデジタルサービスを使ってもらいたいと考えています。

台湾とオーストラリア以外ではインドネシアにも狙いを付けています。インドネシアでのサービス開始は今年の最終四半期を予定しています。

他にも現在進行中の計画がありますが、それについてはタイミングを見て改めてお話します。

新たな市場に短時間で進出していますが、そうしたなかで成功を収められる秘訣は何なのでしょうか。

率直なところ、 新たな市場に参入するときはじっくりと時間をかけることにしています。それは、見境なく参入するのは得策ではないと考えているからです。

通信は銀行などと同じように生活に欠かせないサービスなので、戦略をじっくりと練り、周到な計画を立てる必要があります。

通信は、必要不可欠なサービスなのです。

やり方を間違えるわけにはいきません。利用者に主導権を取り戻したいと考えている以上、利用者を面倒に巻き込まないようにする必要があります。

そういう意味でも、2か国が多すぎるとは考えていません。6か月で15か国に進出しているスタートアップだってありますが、それは私たちのやり方ではありません。

戦略に関しては、通信会社用の世界初の OS を開発したことが私たちの最大の強みになっています。

Windows がコンピューター用の、Android と iOS がスマートフォン用の標準的な OS になっているように、私たちは通信会社で標準となるような OS を持っているのです。

私たちが開発するまで通信会社用の OS というものはありませんでした。

飛躍的な技術革新がなくても、この OS があるだけで、これまでと同じやり方で様々な国に進出することができます。

サービスの立ち上げも時間がかかりません。すべての国で、同じ方法を使ってサービスを短時間で開始できるのです。それこそが私たちの戦略の根幹です。

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Circles.Life のアプリには、映画の予約をしたり上映時間を確認できるような機能が追加されていますね。これはつまり、Circles.Life が Grab のようなスーパーアプリ(単一のプラットフォーム上で消費者が様々なサービスを利用できるアプリ)を目指しているということなのでしょうか。

スーパーアプリが私たちの戦略の肝というわけではありません。

一番大切なのはイノベーションですが、これが結果的にはスーパーアプリを目指すことになる可能性もあります。

私たちはたくさんのサービスを立ち上げていますが、こうしたサービスは通信会社の利用者たちが抱えている問題を解決するためのものです。

例えば、映画を予約する場合の手続きは面倒です。予約サイトで上映中の映画を確認してチケットの枚数を指定するといった一連の作業が面倒なのです。最近では映画館で映画を見る人自体少なくなっているというのはまた別の問題です。

私たちはこうした面倒なプロセスをもっとシンプルなものにしたいと考えています。

Circles.Life では多数のサービスを提供していますが、基本的にそれらは2つか3つの大きなカテゴリーに分類できます。

1つは金融系サービスで、2つ目がエンターテイメントとそれに関する情報、3つ目が旅行関連サービスです。

つまり、サービスを拡大しているといっても的は絞っているということですね。

その通りです。そして私たちには利用者から気に入ってもらえているものがあります。

Circles.Life では、最も得票数が高い選択肢を選んだら勝ち、という投票ゲームを開催しています。例えば、「ハイナンチキンライスより美味しいのはどれ?」というような質問に投票するのですが、とても楽しいですよ。

Circles.Life の活動のなかでも特に興味深いのが大胆なマーケティングキャンペーンです。SG mobile に対する攻撃と、20シンガポールドルで容量が使い放題になるキャンペーンがありましたが、非常に大胆ですよね。会社の設立初期にもこうした大胆な活動や予想を裏切るようなことをやっていたのでしょうか。

私の人生が大胆そのものだったと思います。これまでにもいろんなことに挑戦してきました。

シンガポールに来たときには、英語の学校と中国語の学校のどちらかに入学するという選択肢がありました。私自身には中国語のバックグラウンドがなかったにも関わらず中国語の短期大学である Hwa Chong に入学することにしたのです。

たくさんの人が私に対して「どうかしてしまったんじゃないか。最後までやり通せないんじゃないか」と言いました。でも、実際にはとても楽しくて良い時間を過ごすことができました。

他にも8つの言語を勉強しようとしたり、失敗を5回経験したこともあります。

Image credit: Circle.Life

5回の失敗とはまさに起業家の人生そのものですね。ところで、シンガポール市場には多くの通信会社が参入してきていて緊張が高まっています。Circles.Life はまだこの影響を受けずに市場シェアも5%を維持していますが、価格の下落は通信業界にとって脅威になるとお考えですか。

まずはじめに、利用者たちは使い勝手の良いものを好むと私たちは考えています。私たちが狙いを付けている顧客層も、値下げよりもより良い品質を優先することを好む人たちです。

そして、高品質を維持することこそが長期的に見た場合に成功を収められると考えています。

長時間待たされたり、請求書の金額が間違っているというような現実的な問題は、価格を引き下げるだけでは解決できません。

企業は電話サービスの値下げを続けていますが、それにも限界があります。投資した分を回収できなくなるところまでは値下げできないのです。

値下げ競争もいずれ終息するでしょう。

これまでのところ、私たちは価格競争の影響は受けていません。私たちの価格は最安値というわけではありませんが、それでも利用してくれる人たちがいるからです。

私たちは自社の優れたサービスを誇りに思っており、そのサービスを今後も提供し続けたいと考えています。

シンガポールなどの国では物事が急速に変化していますが、サービスが成功するかどうかは顧客サービスの質には大きく影響されないのでしょうか。

それはとても重要だと考えています。私たちは長い間最安値ではなくても最も速いスピードで成長し続けていますから。

あらゆる顧客層が私たちのサービスを利用しているわけではありません。少しでも電話代を節約したい若い学生や、定年退職した人たちは私たちのサービスを利用しないでしょう。

それでも、「ここで1をクリックしたら次は2をクリック」という感じではなく、クリック1つで電話関連の問題を解決したい、仕事を持っている人や、デジタル系を好む人たちにはぴったりです。

シンプルなプロセスを好む人が多いからこそ、私たちは価格競争にさらされずにすんでいるのです。

【via e27】 @E27co

【原文】

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