後払いでユニコーンになったKlarna、米国市場での成長を狙って4億6000万ドルを調達ーー後払いショッピングアプリ公開も

SHARE:

ピックアップKlarna announces $460M equity raise to further support massive US growth

ニュースサマリー:8月6日、ストックホルム発の後払いサービスを提供する「Klarna」が、ベンチャー・ラウンドにてDragoneer Investment Groupを筆頭に計8つのファンドから総額4億6000万ドルを調達したことを公表している。

今回の調達を機に同社の累計調達額は12億ドルに、かつ企業価値は55億ドルに到達した。創業は2005年と約14年近くの時が経過しているが、未上場のため立派なユニコーン企業として位置付けられている。

今回の資金調達は米国での事業を拡大するためだ。現在Klarnaは米国で年600万社の新規顧客が生まれており急拡大中だという。現時点では、米国内の3000社を超えるマーチャントに対し同サービスを提供している。さらにKlarnaは最近ショッピングアプリをローンチした。アプリではKlarnaを導入するマーチャントの商品を購入することができる。

Screenshot 2019-08-13 at 9.31.20 AM.png
Credit & Source : Klarna

Klarnaの公式ブログによれば、同アプリは、競合アプリの3倍のデイリー・ダウンロード数を誇り、かつアプリユーザーの50%は毎週アプリ内でショッピングを楽しんでいるとしている。

話題のポイント:オンライン・ショッピングにおける支払いは、現在でもクレジットカード払いが圧倒的なシェアを誇っています。ですがクレジットカードでの分割払いを選択する場合、そこには利息という大きな障壁があります。

ですがKlarnaのビジネスモデルはtoBで、マーチャントから導入料金が支払われる形になるため、Klarnaの後払いを利用するユーザーに対して利息または利用手数料を要求することがありません。

Screenshot 2019-08-13 at 10.09.08 AM.png
Credit & Source : Klarna

以下の動画をみていただくと分かりやすいですが、購入時に、クレジットカードやPaypalと並び「Klarna」を選択でき、後払い(分割払い)を行うことができます。非常にシンプルかつ簡単に利用することができます。

その際にクレジットカード情報を入力する必要があるようですが、実質的な利息はKlarnaが負担してくれるということなのでしょう。

’Pay in 4’(4回分割払い)を選択したあるマーチャントの報告では、注文される商品の平均価格が68%増加し、カードが21%だったのに対し、コンバージョンは44%増加し、購入頻度は21%増加したといいます。

Klarnaはこれまで6000万人のユーザーの支払いをサポートし、13万件のマーチャントに対してサービスを提供してきました。デイリーで100万回のトランザクションが捌かれており、その収益は10億ドルに及ぶとされています。

Members

BRIDGEの会員制度「Members」に登録いただくと無料で会員限定の記事が毎月10本までお読みいただけます。また、有料の「Members Plus」の方は記事が全て読めるほか、BRIDGE HOT 100などのコンテンツや会員限定のオンラインイベントにご参加いただけます。
無料で登録する