ピックアップ:Rapido To Raise $50Mn In Next Round Of Investment
ニュースサマリー:8月18日、バンガロール発のバイク版配車アプリ「Rapido」がWestbridge Capital含む6つのファンドから計5500万ドルの資金調達を実施した。同社の累計調達額は約8000万ドル規模に達している。
インドの配車アプリと言えばUberやOlaといったスタートアップが代表的だが、車は大きく小回りが利かないため、デリー・バンガロール・ムンバイなどの激しい交通渋滞には不向きかつ悪化の原因にもなっている。
一方、Rapidoのようなバイクであれば、渋滞の際も車の横をスルスルと追い抜きいち早く目的地につくことができる。車ほど渋滞に悪影響を及ぼさない。
何よりユーザーはRapidoを利用することで、Uberや現地のオートリキシャーなどの大・中型の乗用車を利用するよりも低価格で目的地につくことができる。こうした需要を汲んでトラクションを伸ばし、追加調達に成功したとみられる。
話題のポイント:今後、先進国と途上国問わず都市化(Urbanization)が進行し、交通混雑によって人の移動はより困難なものになるでしょう。たとえば東京とインドのデリーやバンガロールは共に人口密集を理由とした移動問題を抱えています。
そんな中で、Rapidoのような途上国向けのサービスの台頭は注目に値します。渋滞緩和・低価格というソリューションが世界中の交通問題の解決ユースケースとして成果を発揮する点に大きな意味があるからです。
高い料金を取るタクシーや、ストレスフルな満員電車などの移動・通勤手段に依存している先進国にとっても、課題解決のための良い参考例になるでしょう。
<参考記事>
・通勤は同乗して効率化ーー交通渋滞を解消する「通勤カー・プール」のScoopが6000万ドル調達
Rapidoは2015年にバンガロールを拠点に創業し、現在ではインドの13都市に展開しています。Inc42の記事によるとRapidoの競合としてUber MOTOやOla VOGOが挙げられ、さらにGo-Jekも同様のサービスの展開予定としています。
しかし同社はこの領域のアーリー・スターターであり、上記企業らよりも一歩リードしているのが現状です。今回の調達によるサービス拡張・拡大で市場ポジションをキープし続けられるかで、同社の明暗が分かれるでしょう。
過去にRapidoはインドのカルナタカ、タミル地域で規制当局からサービス停止処分を受けたことがあります。これは業務ライセンスなしのタクシー業営業や、ドライバーの無保険・ヘルメット未着用での運営を許していた点などが理由です。
しかし現在は上記の問題も解決し、規制に遵守し営業を行なっています。Inc42によれば、同社は現在女性を含み1万のアクティブ・ドライバーを抱えているとされています。当局からの指摘もくぐり抜け、さらなる成長が期待されます。
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