通勤は同乗して効率化ーー交通渋滞を解消する「通勤カー・プール」のScoopが6000万ドル調達

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Credit & Source : Scoop

ピックアップScoop Raises $60M For Corporate Carpooling As Gridlock Ruins America

ニュースサマリー:8月14日、通勤カー・プールサービスを提供する「Scoop Technologies」がActive Capital Partersをリードに、計8つのファンドから6000万ドルを調達した。同社の累計調達額はこれで1億ドルに達している。

同社のサービスは、ベイエリア(シリコンバレー)で近年深刻化する渋滞問題解消を狙い、UberpoolやLyft Lineのモデルを「通勤」に特化させたものになる。

運転手(通勤者)はアプリを使って同様の方角の目的地(あるいは同じ会社)の通勤者を発見し、複数人を自分の車に乗せることでフィーを得ることができる。アルゴリズムによって通勤効率を最大限にまで高めるマッチングが行われている。

統計によれば、2017年のシリコンバレーの通勤者の76%が「車一つに身一つ(single-occupancy vehicle)」の移動を行なっているとされている。そこでScoopはそのようなケースを減少させ、渋滞を緩和し、遅刻などの二次的な問題を防ぐことができる。

話題のポイント:もう一つ、Scoopの大きな特徴ととなるサービスがあります。それが、エンタープライズ向けの通勤カー・プールサービスです。直接シリコンバレーにオフィスを構える企業を顧客としており、社員の通勤を安心・快適なものにするサービスとして現在大きく注目されています。

一般的なカー・プールサービスとの違いは、社員である運転手と同僚である同乗者との間に金銭的なやりとりが存在しないことです。

以下画像下部にリストされているLinkedinやT-Mobilem、Rakutenなどの企業は、現在Scoopのエンタープライズ・サービスを利用しています。Scoopによれば、Fortune100のうち10%の企業が現在Scoopのエンタープライズ版を利用しているといいます。

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Credit & Source : Scoop Enterprise

企業にとっての魅力は、渋滞から生じる社員の遅刻・ストレスなどを解消できることに加えて、先ほど挙げた「車一つに身一つ」問題やCO2削減などの社会的な問題の解決に貢献できることにあります。また社員にとっては、同僚や他の会社の通勤者と車の中で会話し、仲を深める機会を得られるという点も人気の理由となっています。

これまで600万回のカー・プールが行われ、CO2の削減にも効果を発揮しています。Rakutenでは昨年40%の社員が同サービスを利用しており、またLinkedinは「車一つに身一つ」で通勤する社員をデイリーで100人分減少させることに成功しているそうです。

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