YOYO Holdings、インフルエンサー20万人超を擁する「PopStar」を正式ローンチ——フィリピンとインドネシアで、のべ3億人へのリーチを実現

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今年7月にマニラで開催された、PopStar のサービス開始1周年を祝うパーティー。
インフルエンサーなど約100名が集まった。
Image credit: YOYO Holdings

インドネシア・ベトナム・フィリピンでスマートフォン・ユーザ向けの報酬プラットフォーム「PopSlide」を展開する YOYO Holdings は19日、マイクロインフルエンサープラットフォーム「PopStar」を正式ローンチした。昨年7月にステルスの形でソフトローンチした PopStar は、この1年間でフィリピンとインドネシアでマイクロインフルエンサー20万人を集め、彼らのフォロワーの総和はのべ3億2,000万人以上に上るという。

インフルエンサー20万人という数字は、インフルエンサーマーケティングが注目を集めるアジア全域においても最大規模だ。これほどのインフルエンサーを集めることができた理由として、YOYO Holdings 創業者で CEO の深田洋輔氏は、インフルエンサーの流入経路として300万ダウンロードを誇る PopSlide を活用しマーケティングコストをほぼかけずに済んだこと、さらに、後述するが、同社がインフルエンサーマーケティングを一気通貫で管理できるシステムを作り上げることができたからではないか、と語ってくれた。

YOYO は、モバイルインターネットを無料にする、というミッションで創業して、そこから PopSlide や Candy が生まれた。しかし、創業してから7年し市場情勢も変わってしまった。もはや、インターネットを使っていない人は居ないし、パケ代も安くなってしまった。

会社の中で、果たして、PopSlide や Candy だけで社会的な価値を作り出せているのだろうか、という話になった。どうやったらインパクトが作り出せるのか、インターネットの向こう側に行けるようなサービスを作り出せないか。そんな思いから、PopStar が生まれた。(深田氏)

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PopStar ダッシュボードのオーディション画面(一部を加工してあります)
Image credit: YOYO Holdings

YOYO Holdings では、クライアントからのお題に合わせて、適切なターゲット層にハマりそうなインフルエンサーを探し、彼らにサンプルを提出してもらうオーディションの仕組みを構築している。そこからキャンペーンの展開、結果の報告書作成、クライアントへの請求やインフルエンサーへの報酬支払を一気通貫で運用できるダッシュボードを開発した。この仕組みを使うことで、YOYO Holdings では PopStar の全ての出稿案件を担当者数名で管理できているという。

東南アジアにおいて、インフルエンサーマーケティングはテレビ CM に続いて大きな市場になっている。日本などに比べ、東南アジアは若年層人口が多いことからデジタルシフトが進んでおり、主要な購買層にリーチするには、インフルエンサーマーケティングの方がむしろ効果的とも言える。それでいて、予算に応じた規模でキャンペーンを張れることから、ナショナルクライアントのみならず、ロングテールなビジネスや中小企業などにも、プロモーションできる機会を提供している。

PopStar のクライアントは、仮想通貨取引所、たばこメーカー、クレジットカード会社、大手薬局チェーン、下着メーカー、化粧品ブランド、子供向けプレイグラウンドなど実にさまざま。インフルエンサーの層が多岐にわたる分、あらゆる種類の商品を取り扱うことができ、さまざまな購買層にリーチできるのも特徴だ。

PopStar のダッシュボードでは、キャンペーンを一気通貫で管理できる。
Image credit: YOYO Holdings

従来から提供している PopSlide もユーザの継続率は高い。数字は出せないが、おそらく人気のあるモバイルゲームのリテンションレートよりも高いと思う。PopStar がうまくいっているのは、YOYO はやはりプロダクトの会社であり、自分で言うのもなんだが、プロダクトを作るのがうまくできているからではないだろうか。(深田氏)

セレブリティらによる YouTube マーケティングに代表されるデジタル進出とは対照的に、マイクロインフルエンサーの世界は、彼らの存在もまたロングテールであるためデータ化や見える化が遅れていた領域。システム化によりデータ・ドリブンなアプローチと効率化が図れれば、一大ビジネスチャンスを狙える可能性がある。YOYO Holdings は、この分野で2020年中にナンバーワンを狙うという。どのナンバーワンかを深田氏は言及しなかったが、それは自ずから世界ナンバーワンということなのだろう。

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