AR(拡張現実)で知っておくべき7つの出来事ーーTHE VR FUNDが恒例の2019カオスマップ公開

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Image Credit: The Venture Reality Fund

仮想現実ゲームやアプリ、あるいは拡張現実に投資しているファンド「The Venture Reality Fund」のいつものアレが四半期ぶりにやってきた。ということで、同ファンドの共同創業者、Tipatat Chenavasin氏の手引きで、本件を7つの項目に整理してお伝えする。

1:AR(拡張現実)は成長し続けている

The Venture Reality Fundは現在、ARランドスケープに380社以上を掲載しており、これは2018年から33%の増加となっている。Appleの噂のARハードウェアは遅れているものの、その他の企業たちの勢いは衰えてないようだ。

2:HMD(ヘッドマウントディスプレイ)ARは転機を迎えている

第一世代から新しい世代に移行しつつあるのがHMDだ。結果的にDaqriやCastAR、ODGといった初期プレーヤーは姿を消し、MetaはMeta Viewとして復活している。

MagicLeapやRealWearといった今世代のAR企業は資金調達を続けているし、MicrosoftはHololensのバージョン2をまさに公開しようとしている。そしてこのことは近いうち、ARのエンタープライズへの導入に大きなインパクトを与えることになるとTHE VR FUNDは確信している。

一方、一般消費者については何かに特化したハードウェアの公開が続いている。例えばNorthが開発したスマートグラス「Focals」やFormのARスイミングゴーグル、Bose ARのオーディオサングラスがそれになる。MicrosoftもMagic Leapも一般消費者向けの製品がいつ頃になるのかアナウンスすらしていない。一般的な用途のHMD ARデバイスは1、2年かかるのだろう。

3:エンタープライズが成長を牽引

ソフトウェアにとって、成長の中心はエンタープライズソリューションや複数市場、例えば自動車産業や製薬、ヘルスケアといった市場におけるコンテンツ制作ツールだったりする。Microsoftが米軍と交わしたHololensにおける4億7900万ドルの契約は、AR市場における最大規模の事例となった。

4:ARは新たなタイプのコンテンツを求めている

ツールカテゴリにおいて、一般的な用途のツールと新たな特定容積キャプチャ(※人物などの立体物を体積としてそのまま映像化する技術)コンテンツに拡大がみられる。ARとVRの両方で使えるこの容積キャプチャの興味が高まるのはもちろん、5Gネットワークの到来によるものである。

5:一般消費者向けのARコンテンツは生き続けており、よくなっている

一般消費者におけるARファンは特にモバイルデバイスで拡大を続けている。ゲームがその最たるもので、ナイアンティックのポケモンGOやハリポッター魔法陣同盟、中国ではテンセントの「Let’s Hunt Monsters」があるし、Minecraft Earthも控えている。そしてもちろん、SnapみたいなおばかARソーシャルアプリはまだまだ成長過程で、彼らのインスール数を爆増させる要因になっている。

6:モバイルAR2.0がやってくる

年末までに出てくるであろう、次世代のクラウド利用可能なARソフトウェア開発キット(SDK)によって、さらにリッチな双方向体験、パーシステンス、グローバル・マッピング、マルチユーザー機能などが利用できることになるだろう。これらがやってくることで、モバイルARエコシステムにおいて大きな前進になる。

7:投資は続く

ARはまだ創世記で、HMD ARやモバイルARプラットフォームの革命はエコシステムを強固にしつつあり、引き続き投資すべき価値を提供している。結局、ARの未来は新たな成長フェーズに入ったということで明るく輝いていると言えよう。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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