政情不安が続く香港で、上海のバイオテックスタートアップHenlius(復宏漢霖)がIPO——4億1,000万米ドルを調達

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先月、中国・アモイで開かれた臨床腫瘍学会に出展した Henlius Biotech(復宏漢霖)のブース
Image credit: Henlius Biotech(復宏漢霖)

上海拠点の Henlius Biotech(復宏漢霖)は9月18日、香港証券取引所で IPO(新規株式公開)を実施し4億1,000万米ドルを調達した。ロイター報道によると、発行価格はタームシートの下限だった。

重要視すべき理由:金融センターの香港では政情不安で企業活動が鈍化していたところ、Henlius の IPO は投資意欲を測る試金石とみられていた。

  • 香港で最近行われたバイオテックの IPO は6月の Hansoh Pharma(豪森薬業)案件で、抗議活動によってこの地域が混乱する数日前に10億米ドルを調達した。

詳細情報:新薬やバイオシミラー(バイオ後続品)と呼ばれる薬の複製を開発している Henlius の発行価格は1株49.60香港ドル(約680円)で、予想レンジは49.6~57.8香港ドル(約680円〜約795円)だった。

  • 申請書類によると、同社は株式の12%を売り出し、IPO で得た資金の40%を臨床開発、規制上の申請手続き、中核製品の登録などに用いるという。
  • 同社は中国で1つのバイオシミラーを商業的にローンチしたほか、他に20以上の製品が臨床開発段階にある。
  • カタール投資当局が率いる4つの主要投資家が、売りに出された株式の1億4,000万米ドル相当を引き受ける。

詳細情報:IPO の数日前には、香港証券取引所がロンドン証券取引所に366億米ドルで買収を提案し、不首尾に終わっていた。

  • 香港での IPO は最近増加しており、Anheuser-Busch InBev NV は9月17日、同社のアジア事業を66億米ドルで改めて公募する取り組みを開始した。
  • Henlius による4億1,000万米ドルの調達規模は、2019年に世界で実施された IPO の中では4番目の大きさである

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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