SaaS間連携を半自動化できるiPaaS「Anyflow」、シードラウンドでCoral Capitalから2,000万円を調達

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Anyflow のメンバーと Coral Capital の皆さん。
左から3人目が共同創業者で CEO の坂本蓮氏、4人目が共同創業者の中西奎太氏。
Image credit: Anyflow

SaaS 間連携を半自動化するクラウドネイティヴ iPaaS(integration Platform as a Service)の「Anyflow」を開発・提供する Anyflow は24日、シードラウンドで Coral Capital から2,000万円を調達したと発表した。同社にとっては、古川健介氏(アル創業者)、堀井翔太氏(旧フリル創業者)、赤坂優氏(エウレカ創業者)らから調達したエンジェルラウンドに続くものだ。累積調達額は5,000万円。

Anyflow は2017年、サイバーエージェントでエンジニアの経験のある坂本蓮氏らによる創業。坂本氏は Anyflow 以前にも、プログラマ向けバグ修正支援プラットフォーム「AppMotor」を手がけており、KDDI ∞ Laboの第9期に採択されている。SaaS の普及が進む中で、それらを相互連携する iPaaS の存在が必須になると確信し、Anyflow の開発に着手した。RPA(ロボットによる業務自動化)が話題になることが多いのに対し、「現場が求めているのは、むしろ iPaaS」だと坂本氏は言い切る。

Anyflow を使うと、ユーザは SaaS 間連携を半自動化することがすることができる。一般的に、SaaS 同士を連携するには、対象となる複数の SaaS の API 仕様を理解し、それに基づいて、連携するための簡易的なプログラムを書くことになる。企業においてはエンジニアに対応してもらう作業になるため、依頼してから利用可能になるまで時間や工数も必要になる。

Image credit: Anyflow

Anyflow では、Web 上のドラッグ・アンド・ドロップ操作で SaaS 間連携が可能で、さらに、頻繁に使われる連携パターンは事前に定義されたものが「レシピ」として用意されているため、ユーザが個別に連携のための定義をする必要が無い。これらの機能を使うことで、例えば、新しい社員が入社した際に、複数の SaaS にその社員のアカウントを作成するといった操作が簡素化される。

このような作業の効率化・簡素化には、RPA(ロボットによる業務自動化)というキーワードが取り沙汰されることが多いのに対し、「現場が求めているのは、むしろ iPaaS」だと坂本氏は言い切る。

SaaS の普及では、幾分、日本は遅れをとっており、それは日本にレガシーなシステムが多いから。それで、投資家も含めて、皆 RPA に目が行ってしまっている。(中略)

それともう一つは、欧米の方が SaaS に対する緊急優位性が高い。日本はようやく SaaS が盛り上がってきた状況。(SaaS 需要が)爆発するまでにまだ少し時間がかかると思うが、それに間に合うように Anyflow は早めに張っている状況。(坂本氏)

Image credit: Anyflow

今月、SaaS 比較サイトなどを運営するスマートキャンプが発表した「SaaS 業界レポート 2019」の「Horizon SaaS カオスマップ 2019年版」でも明らかなように、この領域(iPaaS)には IFTTT、Zapier といった競合が存在する。こういった国際 iPaaS が Anyflow にとって脅威にならないのか、との質問については、言語障壁の問題が Anyflow にとってはむしろ優位に働く、との見方を語ってくれた。

国際的に使われる SaaS がある一方、日本には、日本の商習慣に最適化された 国内 SaaS も存在する。国内 SaaS のユーザは国内に限られるし、その需要を開拓するために、海外の iPaaS の開発者が(日本の国内 SaaS の)日本語で書かれた API 仕様を理解して、インテグレーションをするとは思えない。日本には、(Anyflow のような)ドメスティックな iPaaS が必要になる。(坂本氏)

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坂本氏によれば、Anyflow は国内 SaaS の API 連携に特に注力することで、海外の iPaaS とは、競合というよりは補完関係になるだろうという考えだ。国内の SaaS デベロッパにユーザから寄せられる SaaS 間連携についての問い合わせは少なくないらしく、これまでは Zapier などが紹介されることが多かったとのことだが、Anyflow という国産 iPaaS の登場により、この種の日本特有の課題も解決しやすくなる。

Anyflow が対応する SaaS が現時点で国内のものを中心に10程度。スタートアップ向けのエントリーモデルから着手し、今後、エンタープライズ向け、システムインテグレータ向けと対応可能なユーザ規模を拡大させ、ユーザ需要に合わせる形で、Anyflow をオンプレミス環境でも提供できるようにしたいとしている。

Anyflow は今年7月に開催された Infinity Ventures Summit 2019 Summer in 神戸 の Launchpad でファイナリストに選ばれた。今月開催された Incubate Camp 12th で総合順位1位、審査員賞、スポンサー賞を獲得している。

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