効果的な「株式投資型クラウドファンディング」の使い道ーーパーソナル・ファイナンス「Money Dashboard」が取った拡大戦略を紐解く

by souta watanabe souta watanabe on 2019.9.4

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ピックアップ:Edinburgh-based Money Dashboard raises €5 million, prepares to take its app to the masses and scale its team

ニュースサマリー:8月18日、パーソナル・ファイナンスアプリを提供するイギリスのスタートアップ「Money Dash Board」が、株式投資型クラウド・ファンディングを通し合計460万ユーロ(日本円換算:約5億5000万)の調達に成功した。

同社アプリでユーザーは(iOS、AndroidまたはPCで利用可)を通じて手軽に支出額をダッシュボード上で確認できる。また、複数の銀行口座を紐づけることで支出管理を一つのインターフェイス上で行える。カードの支払いトランザクションも詳細に確認することができるため、複数の銀行口座・カードを使い分けるユーザーにとっては便利な機能となっている。

また家の購入や債務の返済、貯金、レジャー予算に代表されるユーザー個人が掲げる目標(金額)に応じてパーソナル・アシスタント機能がユーザーのファイナンス・プランを設計、節約のためのインサイトを提供してくれる。

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話題のポイント:同社は今回の資金を一般的なVCやエンジェルからではなく株式投資型のクラウド・ファンディングを通して調達しています。株式投資型のクラウド・ファンディングとはその名の通り、一定のルール下において複数の個人投資家に対しインターネット上で株式の販売をする方法です。

同社のクラウド・ファンディングは開始45分で150万ユーロ相当を、1カ月間で460万ユーロ分の株式を販売しました。投資家の数は3,489、最も大きな投資家が100万ユーロを投資しており、かつトップ20の投資家が全体のシェア約30%を占めています。

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なぜMoney Dashboardは一般的なVCによるエクイティーファイナンスではなく、クラウドファンディングという方式をとったのでしょうか。同社のブログポストを読むとその目的はさらなるユーザー拡大の布石であったのだと推測することができます。

以下の文章は同社のブログからの引用及び要約です。

同ラウンドに500ポンド以上を投資した投資家はプラチナ会員権を獲得することができます。プラチナ会員は新規ユーザーの招待に成功すると保有株式比率に応じて高額の報酬を得ることができ、コミュニティの発展に貢献することができます。

※500ポンド=約65,000円

わざわざクラウドファンディングを実施して、3000以上の投資家を募る理由は、彼らにコミュニティ拡大のサポートをしてもらうためだったのです。

現在英国の規制によると、一部の認可された企業の株式に対して100万ユーロまでの投資に限り、インカムゲイン(配当や優待)には最大30%の減税、そしてキャピタルゲイン(株価上昇分の利益)の免税が行われることになっています。Money Dashboardはその企業の一社です。

個人投資家にとっては非常に魅力的な投資機会と言えるでしょう。今回のクラウドファンディングに参加した個人投資家は、同サービスが成長することで、リターンの可能性もありますし、またサービス向上にも繋がるため一石二鳥の機会だと言えます。

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そして今年5月、まさにクラウドファンディングを実施している最中に、同社は仮想通貨取引所アプリCoinbaseとの連携を発表しました。

これによりCoinbaseで仮想通貨取引を行うユーザーは、取引による損益をリアルタイムでMoney Dashboardに反映・確認できるようになりました。同社は、今後より多くの投資アセット(株式・債券など)をアプリ内で閲覧・確認可能にしていく方針です。

ここ数年でパーソナル・ファイナンスアプリ数は増加傾向にあります。債務返済に特化するものや、サブスクリプション管理に特化するものだったりとジャンルも様々。

<参考記事>

上記で紹介しているサービスが急激に誕生してきている背景として、銀行や貸金業者などの金融機関がフィンテック・サービスとの提携に対し非常にオープンになってきているという要因が挙げられます。今後もこの流れは続き、両者の協力関係が発展することでより多様な金融サービスが登場することになるでしょう。

Image Source&Credit:Money Dashboard, Money Dashboard Blog

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