従業員のメンタルを24時間365日ケアする方法ーーMIT発「Ginger」が3,500万ドルを調達

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ピックアップ:Ginger, an MIT spin-out providing app-based mental health coaching to workers, raises $35M

ニュースサマリ:9月4日、メンタルヘルスケアアプリ「Ginger」がシリーズCラウンドにて3,500万ドルを調達した。従業員に対してアプリを通じたカウンセラーやセラピストとのコーチング提供する。

同社はMIT Media Labより10年前にスピンアウトしており、元々はスマートフォンの使用状況を監視し、潜在的なメンタルヘルス課題を分析・解決するサービスであった。累計6,300万ドルを調達しており、20万人以上がサービスを使っている。

顧客にはCBS、Netflix、Yelp、Buzzfeedなどの企業がおり、英国や日本、インドを含む米国外の25カ国で展開する。

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話題のポイント:今回取り上げたGingerは遠隔かつオンデマンド精神医療を行うサービスです。今回、本サービスの事例を基にメンタルヘルス分野における遠隔医療やオンデマンドのケアについて考察したいと思います。

従来、医療機関を通じたメンタルヘルスケアの医療費は高い印象がありました。そこで低コストで済むGingerのようなアプリ需要が高まっています。

メンタルヘルスケアが求められる背景には、企業にとって精神科医によるサービス提供を福利厚生として含めるにはコストが高すぎる一方、5人に1人が抱えているメンタルヘルスの問題により離職する人が増えてきているジレンマが背景にあります。

Gingerの類似アプリは多数登場しています。しかし、対面でのケアがこれまでの常識であったにも関わらず、遠隔であったりテキストベースなど簡易なタッチポイントであったりすると、問題が見過ごされたり解決されないまま放置されたりするリスクが起きていました。

そこでGingerでは24時間365日いつでもテキストメッセージを通してカウンセラーやセラピストにアクセスするオペレーションを構築。精神病の重症化を防ぐために重要なスピード医療を提供することに成功しています。

事実、対面でカウンセリングやセラピーを受けるまでに最大で25日ほどかかる実情を考えると非常に有効な手段になっています。

テキストのやり取りの後のプロセスとして、ビデオセラピーなどより高度なケアが用意されていますが、Gingerによればこうしたプロセスに進むのは全体の8%ほどとのこと。残りはテキストベースのケアを通して問題解決が行われているとのことです。メンタルヘルスケアの分野ではより簡易なタッチポイントを作るだけで有効だということが証明されています。

こういった従業員に対する遠隔のメンタルヘルスケアの可能性への期待は大きく、Lyra HealthUnmindPacifica、など多くのスタートアップがサービスを提供しています。(執筆:矢部立也

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