既存金融の弱点を補うメキシコのオンライン消費者金融「Konfio」、ゴールドマンサックスなどから2.5億ドル調達

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ピックアップ:Goldman Sachs Lends $100 Million to Mexican Fintech Konfio

ニュースサマリー:9月6日、メキシコを拠点とする中小企業向けデジタル・ローンの「Konfio」がゴールドマンサックスとVictory Park Capitalから合計2億5000万ドルを調達した。同社は2013年に創業し、2016年にはGoogle Launchpad Acceleratorにも参加した経歴をもつ。

同社はメキシコのSMEs(個人事業主・中小企業)に対して、スピーディーな審査を通してオンライン貸付を実施する。個人事業主に対しては10万ドル〜85万ドル(約1100万~9000万円)、企業に対するビジネスローンは20万ドル〜200万ドルの範囲で貸付を行う。

どちらも期限は半年〜1年で、個人事業主の金利は28%、企業は24%とされている(ただし実際の数値は借り手の信用に左右される)。また、Paypalとの提携も行なっているため借り手はPaypalアカウントを通して融資を受けることもできる。

話題のポイント:KonfioのCEO David Arana氏は、自国メキシコのフィンテック市場に対して以下のような意見を述べています。

メキシコはインドの次にオンラインの消費者信用ビジネスが盛り上がっている国です。理由は人口ボリュームと既存金融サービスの利用率の低さにあります。

メキシコの人口は日本と同程度の約1億3,000万人。日本と異なるのは人口数が上昇傾向にあるという点と、銀行などの既存金融が成熟しておらず、Konfioのようなフィンテックサービスの需要が高まる状況だという点です。

こちらの記事によれば、2019年現在のメキシコには銀行から融資を受ける中小企業が30%程度しかいないという結果も報告されています。この割合は2017年から2018年の間の1年で5.8%減少傾向にあります。

メキシコは2016年から約2~3%のGDP成長率を維持しており、着実に経済発展を進めていることが伺えます。

南米諸国と比較すると、メキシコのフィンテック・ベンチャーの数はブラジルに次いで2番目に多いとされており、22%はレンディング、23%はペイメントが占めているとしています。そして2026年までに、オンラインローン業界はメキシコの銀行市場の30%を占有し、かつ市場規模は300億ドルに達する見込みです。

こうした経済成長率やオンラインローン市場の成長度合いから考えるに、これからもKonfioの需要は増加していくと推測することができます。

メキシコには依然として銀行口座を保有していない人々も存在しており、今後は一層、Konfioに代表されるフィンテック企業が彼らに金融サービスへのアクセス機会を提供していくことになるでしょう。

Image Source&Credit : Konfio

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