ポイントは読者の想像力にありーースタートアップの「オウンドメディアしんどい問題」を解決する方法(後編)

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本稿はスタートアップのPRを考える「POST」からの転載記事です

前半からの続き。コーポレート系のオウンドメディアを疲れずに続ける方法について。

特定の対象に期待する行動をしてもらう

社内広聴のフローが上手にできたら次にやるのが「最重要ターゲットに向けた情報提供」です。やり方は同じ、自分たちが最も動かしたい対象(顧客や行政など)を巻き込んでコンテンツを作る方法です。ビジネス向けだったら事例インタビューや、消費者向けだったらユーザーイベントのレポートなどがわかりやすいですね。

企業サイトに出た人たちというのは(露出慣れしてない限り)それなりに嬉しくなってシェアしてくれたりします。理屈は社内と同じです。要は顔の見える範囲にファンを作る、そのためのコミュニケーションツールとしてオウンドメディアを使う方法です。

メディア向けもあります。

ちょっとテクニックとしては高等かもですが、こちらでもお伝えしたFABRIC TOKYOさんのノウハウ資料はいい例です。元々は社内・関係会社向けに作った資料を一般に向けて出すわけですが、事前に寄稿という形で相談がありました。そう簡単に作れる情報ではありませんから専業系の関係あるメディアであれば寄稿等の相談はしやすいです。(結果的にはニュースで出しましたが)

わかりやすいプールに読者を貯める

立ち上げ期のKPIについては誰もが納得感を持ちやすい、目に見える行動を設定することが大切です。しかし、採用を目的にコンテンツを発信しても例えば採用のフォームに誰一人としてやってこない、などの結果を続けると疲れてしまいます。

そこで試してみて欲しいのが「プール」作りです。前述の期待行動とセットなんですが、いくつかプールする方法があります。

  • 特定テーマを設定して勉強会を開催し、顧客候補20人集まってもらう
  • メディア向けの勉強会を開催して10名の記者に参加してもらう
  • ユーザーミートアップを開催して採用候補にFBグループ登録してもらう

などです。例えばあるテーマでまとまったノウハウの情報を配信したとします。それと同時に勉強会やオンラインのグループ、場合によってメーリングリストなど蓄積できるわかりやすいプールを用意するわけです。

先日、おやつサブスクのsnaq.meさんでエンジニア向けのミートアップを開催されて20名ほどの方々が集まったそうです。その際、THE BRIDGEでも寄稿という形でコンテンツを配信させてもらいました。

<参考記事>

プールの維持については現在POSTでもテスト的に実施しているグループの運用ノウハウが溜まってきてるのでまた別稿でまとめます。

THE BRIDGEでの経験

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2011年に開催していたStartupDatingのミートアップ風景。毎月実施して関係づくりをしていました

元々、THE BRIDGEは「StartupDating」というミートアップのお知らせブログから始まりました。記事を書いても誰も読みません。10年前ですら情報に溢れていましたから全くリーチしないわけです。なので、イベントに参加してくれる人は特に影響力のある投資家や起業家に直接声をかけて、その際の説明コストを下げるツールとして使っていました。つまり、URLひとつ送ってこういうのをやるので来てください、という方法です。

そしてイベントに参加してもらったら、登壇してくれた内容などをさらにコンテンツにして配信する、ということを繰り返したわけです。参加してもらった人たちはある範囲に影響力のある方々を中心に声かけをしていたので、徐々に輪が広がり、数百人ぐらいの規模でミートアップができるようになります。

ブログが単体で読まれるようになったのはこのタイミングぐらいからです。要は、知ってる人たちがコンテンツをシェアしてくれるようになったからで、この辺りはソーシャルのネットワークが成長した今であればもっと早いと思います。

ニュースメディアっぽい印象の私たちですが、立ち上がりは企業のオウンドメディアとなんら変わりありません。逆に言えばみなさんも実施できる、ということです。

ということで前後編でオウンドメディアの立ち上げでしんどくならない「内向きに作る」方法についてまとめてみました。参考になれば幸いです。

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