セールスマンもクラウドソーシングの時代、ユニコーン創業者が仕掛ける「Drum」の”イマドキ営業スタイル”とは

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ピックアップKabbage founders raise $11M for Drum, an SMB marketplace for sourcing salespeople, goods and services

ニュースサマリー:SMEs(小規模事業者)向けオンライン・ローンを提供する「Kabbage」の創業者Rob Frohwein氏とTroy Deus氏が新会社を設立し、ギグ・エコノミープラットホーム「Drum」を提供すると発表した。Drumは既に、Propel VenturesやAmerican Express Venturesなどを含む計8つの投資家から1,100万ドルの調達も実施している。

同プラットホームは、事業者が自社サービスを口コミを通じて効率的にプロモーションできるもの。事業者は割引情報が載ったサービス紹介を掲載するだけ。あとは“セールスマン”と呼ばれる仲介者がネットで拡散する仕組みになっている。

ちなみにKabbageとは2009年に二人が創業したスタートアップで、現在ではユニコーン企業としてフィンテック業界を牽引する存在。Bank Innovationによれば、同社の累計貸し出し額は70億ドル(約7,500億円)に及び、計18.5万以上の事業にローンを提供している。

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話題のポイント:「Drum」の仕組みはありそうでないスモールビジネス向けのリアル・アフィリエイトといった感じのマッチング、クラウドソーシングサービスのようです。

創業者らのコメントによれば、同アプリを利用するのは「事業者」と「セールスマン」「消費者」の3者。まず、アプリ上で事業者がヘアカットや屋根修理、フィットネス、レストランなど様々なサービスをDrum上に掲載。

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キーとなるのはセールスマンの存在です。彼らはアプリ上に表示される様々なサービスから、自分が好きなものをチョイスし、オンライン又は直接友人や家族らに対しサービスを紹介します。紹介の方法としてはSNSやブログ、直接会って話をするなど、様々なパターンが考えられます。

いわゆるアフィリエイトモデルなんですが、導線だけ提供するのではなく、具体的な利用をゴールに設定していること、また、オンラインに弱いスモールビジネスを範囲にしている点でより幅広いビジネスに展開可能というのが特徴のようです。

Drumではこういった仲介してくれるユーザーをセールスマン(Drummer)と表現していますが、実質的に彼らは紹介者・口コミ提供者なんですね。たとえば自分が一度試したことのあるサービスなら、口コミ感覚で手軽にオススメすることができる。これをわかりやすくビジネスモデルに落とし込んだ、というわけです。

消費者からすれば、よく知っている人間からの紹介はより信頼できるものです。そのため「何か特定のサービスを受けてみたいが、できればまず知人がオススメしているお墨付きのサービスを試してみたい」と考えるユーザーにとっては有効なツールになり得ます。ステークホルダー3者を同時に巻き込む必要があるため、サービスとしてはマーケティングの良し悪しが肝になると思われます。

まだサービスが完全にオープンとなっていないので、実際のオファーがどのような形で購入できるのかやや分かりにくいですが、これはこれでアリなのではないかなと思います。

DrumもKabbage同様、小規模なビジネスをサポートするプラットホーム。長年小規模事業者の悩み・課題に向き合ってきたKabbage創業者らならではの視点が生み出したサービスともいえます。

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