理系学生人材DB「LabBase(ラボベース)」運営のPOL(ポル)、シリーズAラウンドで10億円を調達——スパイラルベンチャーズなどから

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左:POL 吉田氏、BEENEXT 前田氏、Spiral Ventures Japan 髙本氏・千葉氏、POL 加茂氏、Beyond Next Ventures 伊藤氏・中岡氏、サイバーエージェント 関口氏・北尾氏
Image credit: POL

理系学生の人材データベース「LabBase(ラボベース)」などを運営する POL(ポル)は17日、シリーズ A ラウンドで10億円を調達したと発表した。このラウンドのリードインベスターは Spiral Ventures Japan が務め、サイバーエージェント(藤田ファンド)、Beyond Next Ventures、BEENEXT、PKSHA Technology(東証:3993)が参加した。

PKSHA Technology は昨年11月のプレシリーズ A ラウンドにも参加、BEENEXT は2017年4月のシードラウンドにも参加している。サイバーエージェントは今回初の出資参加となるが、サイバーエージェント・ベンチャーズ(現在のサイバーエージェント・キャピタル)がシードラウンドに参加していた。創業以来の累計調達総額は11〜12億円程度とみられる。

POL は2016年9月、東京大学理科二類3年生(現在休学中)の加茂倫明氏らが設立。加茂氏は以前、エス・エム・エス創業者の諸藤周平氏率いる、シンガポールの REAPRA グループ傘下の HealthBank で、オンラインダイエットサービス「BIVIE」の立ち上げに携わったシリアルアントレプレナーだ。また、元ガリバーインターナショナル(現在の IDOM)専務取締役で、FiNC の社外取締役でもある吉田行宏氏が共同創業者として参画している。

POL のコアサービスは、理系学生の就職/採用市場の需給不均衡是正を念頭に置いた人材データベース「LabBase(ラボベース)」と、企業と大学の研究室間の産学連携を促す研究データベース「LabBase X(ラボベース・クロス、旧称:LabBase R&D)」だ。LabBase の登録学生数は1.5万人で、利用企業数は140社を超えた。

加茂氏によれば、今回の資金調達の目的は主に2つだという。

LabBase の運営開始から2年半が経過し、ユニットエコノミクスも見えてきて、ここで(アクセスを)踏んでいいのが見えてきた。LabBase を大きくするため向けに B 向けのマーケティングを強化していく。そして、もう一つはエンジニア、セールス、カスタマーサクセスの人材を増やす。

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POL には現在、45名ほどの社員がいるが、エンジニアの採用を強化し、LabBase の UI/UX の改善や、企業と理系学生のマッチングアルゴリズムのブラッシュアップに注力する。また、機能を追加していくことで、「就職を考え始めた時に限らず、非連続的に研究室の中で普段使いしてもらえるプラットフォームにしていきたい。研究室のインフラになるような機能を提供していきたい(加茂氏)」とした。具体的なサービス内容については明らかにされなかったが、今後、HR に特化したサービスも準備中だという。

POL では、新サービスの開発や現行サービスの改善に向けて、3ヶ月に一度の割合で、投資家らとの壁打ちの機会を持っている。特に興味深いのは、経営層やマネジメント層のみならず、社員のほぼ全員がこの機会に参加している点だ。

同社では今後、ユーザエンゲージメントを高めるため、研究者を招いたり学生を招いたりして、オフラインイベントなども積極的に行っていきたいとしている。

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