
JD.com(京東)は、楽天や西友(ウォルマートが展開する日本のスーパーマーケット)といった、日本のオフライン・オンライン小売事業者に、無人配送ソリューションを提供している。日本における、商業ベースで初の自動運転配送サービスの先駆けとなるものだ。
重要視すべき理由:JD.com の自動車やドローンを使った自動配送の動きは、物流業界における効率性や正確性を改善しようとする努力の一部だ。Alibaba(阿里巴巴)や Meituan(美団)のような他の中国のテック大手も、この領域には重点的に投資をしている。
- この取引は、JD.com と楽天が今年結んだ無人技術に関する提携を拡張したものだ。
- JD.com は、ドローン配達の試験を日本に加えインドネシアでも実施している。
- 日本政府は2019年、公道で試験を実施するための公的および民間組織の立ち上げ、基準の取り決めを計画している。
楽天のスポークスパーソン Mai Futamura 氏は、TechNode(動点科技)の取材に対し、次のようにコメントした。
無人自動車の便利さをユーザが体験できる機会を提供したり、無人自動車による配達サービスのオペレーションにおいて、リアルの世界で専門知識を手に入れたりすることで、楽天は公道を含むあらゆる場所で、無人自動車による配送サービス導入を振興していきたい。
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詳細:楽天の自動運転配送の試験サービスは、9月21日から10月27日までの期間中の週末、横須賀市のうみかぜ公園で利用可能。主に、休日に当地を訪れる観光客を対象としている。
- 楽天によれば、このプログラムは現在、自動運転車1台で運用されており、最大で5キログラムまで積載が可能。
- うみかぜ公園の配達範囲は周囲約600メートルで、1日最大12回の配達が可能。
- 楽天のドローンアプリをスマートフォンにダウンロードした観光客は、公園近くにある西友リヴィンよこすか店にある約400品目から商品を選び注文できる。商品カテゴリは、バーベキュー用の食品や飲料から救急薬までさまざま。
- ユーザは配達場所と時刻を指定し、楽天ペイでオンライン決済する。
- ユーザは、注文した商品の受取時、プッシュ通知されたメッセージにあるコードを入力する。
- 配達料は1注文あたり300円。
背景:楽天は先ごろ、東京湾にある島(猿島)へのドローン配達プログラムを発表している。このプログラムでは、島を訪れた観光客が楽天のドローンアプリで商品を注文し、JD のドローンを使って商品が届けられる。
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