顔認識技術スタートアップSenseTime(商湯)、シリーズDでSBCVC(軟銀中国資本)から10億米ドルを調達——評価額は75億米ドル超に

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〈17日午前10時更新〉本稿初出時、社名「ソフトバンク中国VC(軟銀中国)」としたものを「SB China Venture Capital(SBCVC、軟銀中国資本)」に修正。

現在世界でもっとも企業価値の高いAIスタートアップとされる中国の SenseTime Group(商湯集団)は、SB China Venture Capital(SBCVC、軟銀中国資本)などからの巨大な投資を受け、今年その評価額が75億米ドルを突破した(編注:一部メディアでは、評価額は60億米ドルと報道)。

Image credit: SenseTime(商湯)

Alibaba(阿里巴巴)がリードした資金調達ラウンドで6億米ドル、また Fidelity International、Hopu Capital(厚朴基金)、Silver Lake、Tiger Globalといった投資家から6億2,000万米ドルを調達した後、同社の評価額は2018年には450万米ドルとされていた。

シンガポールで開催された Bloomberg のカンファレンス「Sooner Than You Think」で SenseTime(商湯) CEO の Xu Li(徐立)氏が語ったところによると、SenseTime は獲得した資金を活用し、半導体など新たな分野に進出し、パートナーの Nvidia の製品を補完する AI チップを開発するという。

ただし Xu 氏によると、同社には新規株式公開の「具体的な計画はない」という。

同社の収益は3桁の成長率で増加しているが、新たな領域に投資を行っているためキャッシュフローはマイナスのままだと同氏は述べた。

2014年に香港で設立された SenseTime は、スマートシティやスマート監視など、さまざまなアプリケーションで AI や顔認識・画像認識技術を活用している。

South China Morning Post(南華早報)の報道によると、事業拡大に向けた同社による今回の取り組みは、数多くの業界が AI プロジェクトに積極的に投資しているという現状の中で行われたものだという。

Xu 氏は Post に対し次のように語っている。

各業界で AI を積極的に取り込むようになったのは2018年だったと信じている人はたくさんいます。ですが、このテクノロジーが本当にユビキタスになるには、まだまだ時間がかかります。

調査会社の IDC によると、全世界のAIシステムへの支出額は2022年には792億米ドルに達すると予想されており、2018年から2022年にかけての複合年間成長率は38%とされている。

【via Tech in Asia】 @techinasia

【原文】

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