欧州の相乗りサービス大手BlaBlaCar、ロシアの長距離バス料金比較・予約サイト「Busfor」を買収へ——同業FlixMobilityとの争いは激化の様相

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Image credit: Busfor

ヨーロッパを席巻しているモビリティ革命が、人々の移動のあり方を根本から変えようとしている。消費者には新たな選択肢が生まれ、運送会社は新たなビジネスチャンスと挑戦の中で難しい舵取りに迫られている。

パリに拠点を置く BlaBlaCar はモビリティ業界のパイオニアだ。同社はさらなる変革を起こすべく、今まさに次の一手に出ようとしている。都市間相乗りプラットフォームを運営する BlaBlaCar は、ロシア最大のバスプラットフォーム Busfor を買収してバス業界に切り込んでいこうとしている。

今回の買収は、すべての空席をユーザに提供するための取り組みを推し進めるためのものです。

BlaBlaCar の共同設立者兼 CEO の Nicolas Brusson 氏は言う。

ヨーロッパでは、電気バイクから格安航空会社まで、あらゆる乗り物が移動手段として長年利用されてきた。BlaBlaCar はそうした状況に一石を投じた企業の1つだ。同社のプラットフォームでは、車のドライバーが自分の移動予定を投稿することで、料金を払ってくれる相乗り相手を見つけることができる。このサービスはフランスやその他のヨーロッパ地域でかなり一般的になっており、BlaBlaCar はベンチャーキャピタルから3億3,500万米ドルを調達してユニコーン企業の仲間入りを果たしている

しかし、BlaBlaCar のこれまでの歩みは順調なことばかりではなかった。インドやトルコ、メキシコなどの市場に参入してみたもののうまくいかず、撤退を余儀なくされたこともあった。Brusson 氏によると、インドとメキシコでは相乗りの利用数が増え、コミュニティも拡大しているため、同社の取り組みが今になってようやく報われたという。現在、BlaBlaCar に登録しているドライバーと相乗り利用者は、22か国で8,000万人にのぼる。

同社にとって最大かつ最良の選択は、2014年にロシアの分断された運送市場に参入したことだろう。ロシアは乗車数ベースで BlaBlaCar にとって最大の市場となっている。同社は昨年、ロシアの相乗りプラットフォーム BeepCar を買収してロシア市場での地位をさらに揺るぎないものにしようとしている。BlaBlaCar の利用者数は現在、中央ヨーロッパと東ヨーロッパで2,500万人に達する。

ロシアへの参入を果たした後の2018年、同社はさらに果敢な動きを見せる。フランスの国営鉄道会社 SNCF から格安バスサービス Ouibus を買い取ったのだ。今では名前を BlaBlaBus に変え、フランス、ベルギー、オランダ、ドイツ、イタリアでサービスを展開している。

Ouibus を自社に取り込みながら、ロシアの Busfor を買収することで BlaBlaCar はバス業界にさらに深く切り込んでいこうとしている。

取引条件は公開されていないが、Busfor は提案を受け入れ、今年中には話がまとまる見込みだ。これまでにも他国に参入するために現地の相乗りサービスを買収してきたことがあるため、BlaBlaCar にとって今回のようなやり方は常套手段だと言える。

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BlaBlaBus と同様、Busfor も様々なバス運送会社を集めたプラットフォームであり、ブランドでもある。Busfor 自体はバスの運行を行うのではなく、依然として紙のチケットや駅でのチケット販売を行っているバス業界に IT を導入するのが役割だ。

Brusson 氏によると、物流インフラの仕事を自分たちでやるのではなく、今回も業界で地位を確立した企業を買収する方が良いと決断したのにはバス業界のこのような事情があるという。

オフラインからオンラインへの移行はすでに始まっています。プラットフォームの構築に2年かかりましたが、少し遅すぎたかもしれません。しかし、2年かけたからこそ Busfor のプラットフォームは世界でも通用するものになっています。

BlaBlaCar は規模拡大を続けながらも、ミュンヘンに拠点を置く FlixMobility といくつかの業界で競争を繰り広げている。FlixMobility は当初バスプラットフォームとしてスタートした会社で、同社のライムグリーンの FlixBus の車両は現在ヨーロッパ各地で見ることができる。ヨーロッパの電車サービスに競争を促すような法律が導入されるのを見越して、昨年 FlixTrain もスタートさせている

さらに、今年の夏にはベンチャーキャピタルから5億3,100万米ドルを調達して、自社の FlixCar 相乗りサービスをスタートさせようとしている

BlaBlaCar、FlixMobility ともに洗練されたデータ中心のインフラを構築することで乗り物と利用者のマッチングをするとともに、価格設定とルート設定も行っている。両社は調達した資金を使って、拡大を続ける市場と需要の中で長期的に通用する強みを獲得していこうとしている。

Brusson 氏は、いくつかの地域で両社が競合し始めていることを認めている。しかし、競合が登場したとしても BlaBlaCar が参入している市場にはまだまだ成長の余地があると同氏は確信している。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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