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Image credit: Cricket One
クリケット・プロテイン(コオロギ由来のたんぱく質)を生産するベトナム企業 Cricket One が、500 Startups とシンガポールに拠点を置く Masik Enterprises が共同リードするシードラウンドで資金を調達した。調達額は公開されていない。
Cricket One の共同設立者である Nam Dang 氏と Bicky Nguyen 氏は2017年に同社を設立した。環境に優しい食料源を東南アジア地域外にも提供し、農業従事者の生活を助けるためだ。
Dang 氏によると、ベトナムではコオロギが自然に成虫になるまでにかかる日数は28日で、餌として有機農業副産物を食べる。Dang 氏は次のように語った。
特別な訓練を受けた地元農家にコオロギの育成を外部委託することで、コスト面で有利になるだけでなく、地元の収益が上がり地域開発にもつながり、またグローバル・サステナビリティも向上します。
Cricket One によると、2 リットルの水と1.5kgの餌があれば、1kgの可食重量を生産できるという。Masik Enterprises のディレクター、Mikhail Zeldovich 氏 は次のように語った。
実際のところ、1ヘクタールあたり年間250トン以上の純たんぱく質を生産できるので、かの有名な Impossible Burger 用に大豆を生産するのと比べて50倍近くの生産性を達成できます。
Dang 氏によると Cricket One は、事業の農家側に関してはすでに生産チェーン全体を確立したという。新たに獲得した資金を研究開発に投資し、コオロギのたんぱく質構造の研究をさらに進める予定だ。
同社によると、現在月間2,500万匹以上のコオロギを扱っているという。60%から70%のたんぱく質と7%の食物繊維で構成される主力商品のクリケット・パウダーは、アメリカやヨーロッパの製パン所や半導体メーカーに販売されている。また現在、ベトナム、ロシア、韓国で、クリケット・プロテインやオイルを含むソーセージやマヨネーズ、それに可溶性のクリケット・パウダーで作られたプロテイン飲料など、新しい商品も試験中だ。
マレーシアに拠点を置くフードテックスタートアップの Ento もまた、コオロギで作られた代替タンパク質商品で Impossible Foods に挑む。様々な種類のコオロギの丸焼きを販売する同社は現在、クリケット・パウダーを使った新たな商品ラインを開発中だ。今月初めには、シンガポールを拠点とする Rapzo Capital から非公開額を資金調達している。
シンガポールの Nutrition Technologies もまたこの地域の同業者だ。Cricket One や Ento とは異なり、アメリカミズアブの幼虫をサステナブルな代替源とし、たんぱく質を生産している。
Nutrition Technologies は今年初め、Openspace Ventures と Seeds Capital がリードするシリーズ A ラウンドで非公開額の資金調達を受けている。
【via Tech in Asia】 @techinasia
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