PayPal、中国の決済企業GoPay(国付宝)株式の70%を取得——中国初の外国系オンライン決済プラットフォームに

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Image Credit: PayPal

地元企業 GoPay(編注=Go-jek 傘下の Go-Pay ではない)の過半数株式を PayPal(貝宝)が取得することを中国人民銀行が許可したとのニュースが報道されたが、これを受けて、PayPal は中国で決済ライセンスを獲得する初の国際企業の一つとなる見込みだ。

PayPal は、中国に子会社の一つ Yinbaobao(銀宝宝)を通じて GoPay 株式の70%を取得する見込みだ。GoPay がウェブサイト上の声明で発表した。この買収は、2019年の第4四半期に完了する予定。

GoPay、正式名 Giofubao(国付宝)は2011年、中国国際電子商務中心(CIECC)と、倒産の危機にあった海南省海口市に本拠を置くコングロマリット HNA Group(海航集団)の子会社 HNA Retail Holding(海航商業控股)の合弁で誕生した。

市場

中国のオンライン決済市場は、5年前に比べ取引額で2,126兆3,000億人民元(約3京2,000兆円、2018年)と倍以上に増加し、非常んい大きなものとなっている。この分野で展開する有名企業には、以前は Alipay(支付宝)の名前で知られた Alibaba(阿里巴巴)関連会社の Ant Financial(螞蟻金融)などがある。Ant Financial は2010年、世界最大のオンライン決済プラットフォームだった PayPal を追い抜いた。Ant Financial は今年に入り、決済の世界展開の加速を狙ってイギリスに本拠を置く WorldFirst を買収する計画があると発表した。これが発表されたのは、Ant Financial による MoneyGram 買収計画をアメリカがやめさせた直後のことだ。

30日の発表は PayPal にとって画期的なものだが、必ずしも大きな驚きでもない。中国人民銀行は昨年3月、競争を健全化すべく国内市場を海外決済企業に開放すると明らかにしており、11月には American Express が中国で事業開始する承認を得た。しかし、30日の PayPal の発表は、特にオンライン決済に関するもののようだ。

PayPal CEO Dan Shulman は、声明の中で次のように述べている

中国でオンライン決済サービスを提供するライセンスを得る、初の外国系決済プラットフォームになれることを誇りに思う。(中略)

中国の金融機関や技術プラットフォームと提携し、中国においても世界においても、より包括的な決済ソリューションを企業や消費者に提供できることを楽しみにしている。

PayPal は以前、世界展開を狙う中国の決済企業と提携していたことは特筆に値する。PayPay は2017年、海外の中国人観光客をターゲットにすべく、Baidu(百度)との提携を発表した。この提携の一環として、Baidu Wallet(百度銭包)が世界に1,500万超ある PayPal 事業者で受け入れられる予定だった。

【via VentureBeat】 @VentureBeat

【原文】

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