サブスクでメンズ洋服がシーズン毎に届く「Robes(ローブス)」運営、アプリコットベンチャーズなどからシード資金を調達

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2018年来、無思考型と呼ばれるサービスがいくつも脚光を浴びた。旅なら行き先や予定を決めなくても提案してもらえる「ズボラ旅 by こころから」、毎日の献立なら「me:new(ミーニュー)」や「Recipio(レキピオ)」、即時買取の「CASH」などなど。そして、サブスクリプションサービスの登場もあって、人の消費行動は少しずつ変化し始めている。最小限のものだけを所有し、必要に応じて必要なアイテムをレンタルして生活するミニマリストも増えつつある。

そんな中で「Robes(ローブス)」は生まれた。洋服のことを考えずに済ませられ、コーディネートから衣替えまでを丸投げできるメンズファッションサービス。前述の Recipio や CASH 運営のバンク出身の藤原光汰氏が、「自分が欲しいと思った(藤原氏)」サービスを形にしたのだという。もともと、Robes は「EVERYCODAY(エブリコーデー)」の名で今春βローンチしていたが、ユーザからの反響が大きかったことから、Robes として本格スタートすることにしたという。

16日、Robes を運営する Robes は、シードラウンドで資金調達を実施したと発表した。このラウンドに参加したのは、アプリコット・ベンチャーズ、エニグモ、光本勇介氏、ReBoost の河合聡一郎氏だ。調達額は非開示。アプリコット・ベンチャーズからの出資は、同社の起業家向け支援プログラム「FLAP」の第3期に Robes が参加していたことがきっかけだ。光本氏は言うまでもなく藤原氏出身のバンクの創業者であり、河合氏は「airRoom」運営の Elaly に出資するなどサブスクリプションサービスへの参画が目立つ。

Robes では骨格診断をもとに、スタイリストが作成したいくつかのパターンから最適と思われるコーディネートをユーザに提案。その情報をもとに洋服が3ヶ月毎に送られてくる仕組みだ。季節が変わって3ヶ月後には着古した洋服を返却し、新しい洋服が Robes から送られてくるというサイクルが繰り返される。料金は1シーズンに求める洋服のバリエーションにもよるが、1ヶ月7,800円から。取扱ブランドは、FRESKʼS STORE、B.C STOCK ほか5ブランドから始め順次拡大するという。

ファッションや美容のサブスクと聞いて最初は女性向けかと思ったが、Robes は意外にも男性ユーザに特化したサービスだった。藤原氏によれば、女性はファッションを選ぶプロセスを楽しむ人が多いのに対し、男性はそもそも洋服選びを丸投げしたい人が多いことから、当初のターゲットをメンズに絞ったのだそうだ。

以前、似たようなサービスを ZOZOTOWN が展開していたことがあるが、ZOZOTOWN が基幹事業とするファッション EC とのシナジーが生まれなかったためサービスを終了したとの分析もある。今回 Robes が出資を受けたエニグモは、ソーシャルショッピングサイト「BUYMA」を運営しており、洋服に合わせた靴選びなどの分野で Robes と連携する可能性があるかもしれない。

Robes がテーマとするのは、ある種、資本主義社会の歪みとも言える、需要が供給を上回るという社会共通の課題である。需要が供給を上回っていないと、消費者は欲しいというものを買うことはできない。需要と供給の量関係が逆転すると、人々はたちまち購買意欲を刺激されなくなってしまう。ファッション業界で生まれる供給量の約半分相当量の余剰在庫は悩みの種だ。ただ、Robes なら、これをサブスクリプションという未来需要を見通せる方法で是正できるかもしれない。

Robes は、EO Tokyo INNOVATION PROGRAM 2019、朝日メディアアクセラレータープログラム2019に採択されている。供給過剰の大量生産の時代が終わりを告げる中で、Robes では消費行動の変化に応じたサービスの開発に注力し、究極的にはさまざまなアイテムを極限まで安く買えるサービスの実現を目指したいとしている。

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