米政府によるFacebook「Libra」潰しが始まるーー脱退を発表したVisa、Mastercard、Stripeに送られた“脅迫文”

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ピックアップSigned letter re Libra to Patrick Collision, Ajaypal Banga, and Alfred Kelly

ニュースサマリー:10月11日、Facebookが主導する暗号通貨プロジェクト「Libra」より、メンバーとして参加が予定されていたVisa、Mastercard、Stripeが同プロジェクトからの脱退を発表した。先週4日に脱退を先立って発表したPayPalを含め「創設メンバー」とされていた企業の内5社が抜けたことになる。これはLibra Association発足から4カ月足らずでの出来事だ。

また、10月8日には米上院議会から脱退を決めた企業に送付されたとみられる公文書も公開されている。同文章では米政府がLibra、またFacebookへ懸念の意を持っていることが述べられている。

話題のポイント:Libraが発表された当初、Facebookのみならず数多くのテクノロジー企業や大手決済企業が運営に参加していることが話題となりました。特に当時のFacebookは、プライバシー保護など数多くの問題を抱えていたため、ブロックチェーン領域に複数企業と共に参加してきたことは大きな衝撃でした。

以下は、創設が発表された当初に公開されたメンバーリストです。

<参考記事>

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Libra

しかし、たった数カ月でその様相が根本的に変わろうとしています。まず、そもそもLibraは何を問題と捉え世界を変えようとしているのか。そのミッションは以下のように説明されています。

Libra is a global, digitally native, reserve-backed cryptocurrency built on the foundation of blockchain technology. People will be able to send, receive, spend, and secure their money, enabling a more inclusive global financial system.  – Libra Mission

Libraの最終目的地は世界統一通貨を生み出し、金融産業におけるインフラストラクチャーを抜本的に変えていくことを目指しています。

ブロックチェーン業界における今までのスタートアップも、同じようなビジョン・ミッションを持ちプロジェクトを作り上げることは多くありました。しかし、特に金融領域において抜本的変化を目指そうとすると、既存機関との衝突やコミュニケーションが取れずプロジェクトが進まないという壁にぶつかってきました。

そのため、既に知名度もありプラットフォームも所有しているFacebookが既存金融機関をリードしプロジェクト遂行を図るという面で、ブロックチェーン業界からも大きな期待が集まっていたのは間違いないでしょう。(もちろんネガティブな批評も数多くありますが)

しかし、Libra Association発足から4カ月が経過し、進展として発表されるのは(少なくともパブリックに)メンバーの脱退ニュースのみ。特にLibraにおいて最も金融領域とつながりがあるといえる「Payment(決済)」の枠組みで参加を表明した企業達が脱退を始めていることに非常に危機感が募ります。

以下は現在Libraのホームページに掲載されているメンバーの図。上図と見比べると有名どころの決済企業が姿を消しているかが分かります。

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Libra Partner

ではなぜ、4か月前までは参加にポジティブだったVisa、Mastercard、Stripe、eBay、そしてPayPalまでもが脱退を決めることに至ったのでしょうか。その背後にはFacebookのプライバシー問題において一悶着あった米政府との対立がありました。

以下の文章は、アメリカ合衆国上院からStripe、Mastercard、Visaへ送付されたものです。

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US Senate

同文章は、ほぼ米政府から上述企業への「脅迫メール」といえる内容で構成されています。

以下は冒頭の文章です。

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特に着目したいのは4行目からの「We urge you to carefully consider how your companies will manage these risks before proceeding, given that Facebook has not yet….」の部分。要約すれば「プライバシー保護もままならないFacebookという企業が率先する、金融プロジェクト『Libra』に参加する””リスク””を理解しているか?」と受け取れます。

同文章が送付されたのが10月08日。そして、上述企業は10月14日に脱退を表明。

この時間軸を考えるに、米政府による「脅し」が脱退へ大きく起因した理由になっているのは間違いないでしょう。

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