誰もが平等に挑戦できる「42 Tokyo」始動ーー学費無料のエンジニアスクール、DMMが主導

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ピックアップ【日本初】フランス発エンジニア養成機関 一般社団法人「42 Tokyo」を設立。 ~2019年11月7日に第1期生募集開始、2020年4月に開校予定~

ニュースサマリー:DMM.comは11月13日、フランスのエンジニア養成機関「42」の東京校として一般社団法人「42 Tokyo(フォーティーツートウキョウ)」の設立を発表した。11月7日より応募を開始し、その後3回に及ぶ試験を経て2020年1月から入学試験を開始、2020年4月の開校を予定している。42が日本に上陸するのは今回が初。

42」とは民間の非営利型プログラミング・スクールで、フランス人のビリオネアXavier Niel氏によって設立された学校。2013年にパリでオープンし、2016年にはサンフランシスコにも設置され、現在世界12カ国で展開されている。

話題のポイント:同スクールの特徴は主に2つに分けられます。

1つ目に「誰もが平等に挑戦ができる」というスローガンのもと、年齢、学歴、性別などに関わらず参加可能で、かつ学費が無料という形で学習機会が提供される点。

とはいえ、応募した全員が参加できる訳ではなく、1カ月間に及ぶ実技テストを必要とする点に留意が必要です。テスト期間中、実践プログラム同様にピアツーピア方式(※後述)で、数百人の応募者が一斉に課題に向かいます。同テスト中では試験課題を解くだけでなく、プログラミング仲間に出会うこともできますし、42の学習方式が自分に合っているかを確かめる機会にもなります。

2つ目に、教育システムが「実践的」である点です。具体的には、授業形態として従来の学校教育のように教師が一方的に講義を行うという形ではなく、学生同士が主体的に学びあう「ピアラーニング」方式を採用しています。

<参考記事>

自分で調べ、人に聞き、自分で考えることを繰り返す、という実践的な環境によって、学習者の問題解決能力を育むことが同スクールの狙いです。何か分からないことがあればGoogleで調べ、それでも分からなければ隣の人に聞き、それでも分からなければその隣の人に聞く、とったようにサポートし合う形で学習が進みます。こうした学習プロセスの中、実際の現場で必要とされるタフさや試行錯誤の過程を学ぶことができるといいます。

驚くことに、学習スペース(六本木グランドタワー)は24時間365日解放されているため、生徒はいつでも、柔軟なスケジュールで学習を行うことができます。

フランスの42では、セミナーやハッカソンの機会もあり、IT業界な著名人に会う機会もあるようですので、42 Tokyoでも、生徒間だけの自己学習だけに止まらない教育が施されるかもしれません。

協賛企業としては、以下の日本を代表するインターネット企業らが名を連ねています。かといって、本校の卒業生が以下の企業らに就職しなければならないのかと言われればそうでもなく、あくまで日本の開発者エコシステムを活性化させることが狙いです。

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Image Credit: 42 Tokyo

DMM.com会長であり、一般社団法人42 Tokyoの理事長を務める亀山敬司氏は、本校の開講に対し以下のようにコメントを残しています。

家庭環境や学歴に関係なく、誰にでもチャンスを与える42の精神に共感して、東京への誘致を進めてきました。当面の運営資金はDMMで準備しましたが、将来は卒業生が成長し、稼ぐことで、少しづつでも寄付をして次に入る学生の学費を支えてくれる、そんな寄付の循環が生まれたら本当に良いな、と夢見ています。

42は”無料”にも関わらず、政府などの行政ではなく”民間”が提供する稀有な教育機関です。日本の今後の長期的なテック・エコシステムの発展の観点でも、非常にポジティブなムーブメントを巻き起こすに間違いはありません。将来的に、42 Tokyoから日本を代表する起業家やエンジニアが輩出されることに期待が高まります。

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