“金融機関を信用しない”前提の暗号通貨レンディングのCompound、預かり資産は1億ドルに

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Image Credit : Compound Finance

ピックアップDeFi Startup Compound Finance Raises $25 Million Series A Led by A16z

ニュースサマリー:暗号通貨レンディング・プロトコルを開発する「Compound」は、シリーズAラウンドにてa16z Crypto(著名VC「Andreessen Horowitz」が運営する暗号通貨特化ファンド)から2,500万ドルの調達を実施した。2017年にサンフランシスコで創業した同社の累計調達額は3,300万ドルに上っている。

Compoudが提供するのは、暗号通貨の貸し出し・借り入れを行えるレンディング・スマートコントラクト。ユーザーは暗号通貨をCompoundのスマートコントラクトにロックすれば、金利を稼ぐことができるのと同時に借り入れを行うこともできる。Ethereumブロックチェーンを利用しており、複数のトークンを使用することができる。

貸し出し・借り入れ機能に注目すれば、“分散型銀行”ともいえるだろう。仕組みとしては、以前記事にした「Nuo」と類似している。どちらのサービスも、一般的な銀行に比べ、はるかに高い金利を提供している点が特徴である。

<参考記事>

話題のポイント:「暗号通貨は投機以外に利用用途がない」という言葉は、典型的な暗号通貨批判として頻繁に見かけます。しかしCompoundの実績を見れば、その認識はもはや時代遅れであることが分かります。

実際、以下のグラフを見ると、同サービスのスマートコントラクトには既に約1億ドル(約108億円)ほどの金額がロックされていることが分かります。数字は右肩上がりであり、金利収入を稼ぐ運用先として徐々に人気を高めていることが分かります。

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Image Credit: Defi Pulse

さて、暗号通貨レンディングと聞くと、一般的な暗号通貨取引所が提供するような暗号通貨でのレンディング・サービスが既に存在していますが、それらのサービスとCompoundとの違いはどこにあるのでしょうか。

端的に言えば、その違いは金融機関を信用する必要があるかないか、という点にあります。一般的な取引所で金利収入を得るために貸し出しを行う場合、ユーザーは自身の暗号通貨を取引所のウォレットに送金しなければなりません。すなわち、取引所が資産を安全に管理してくれると信用する必要があります。しかし度重なる取引所のハッキング事故が、その危険度の高さを物語っています。

Compoundの場合、取引所のような金融機関を信用する必要はありません。なぜなら、ユーザーの暗号通貨はユーザー自身のウォレットとハッキングリスクの低いCompoundのスマートコントラクト間のみでやり取されるためです。このセキュリティはEthereumブロックチェーンにより保証されています。

現時点で、Ethereumのトランザクション処理スピードが極めて遅いことや、サービス自体のUXが低いことがCompoundの課題として挙げられます。ですが今後の開発によっていくつかの難点を克服すれば、“金融機関を信用しなければならない”という従来の金融システムの常識を覆す、新しい金融サービス・モデルを象徴するプロジェクトになり得ます。

同社CEOのRobert Leshner氏は、今後の拡大戦略について、Compoundプロトコルをカストディサービスや暗号通貨取引所にインテグレートしていくと発言しています。Compoundはオープンソースで開発されるプロトコルであるため簡単に連携できて、かつより安全なレンディング・サービスです。先述した課題が克服されていくにつれ、このような動きは今後一般的になっていくでしょう。

ここ最近、フィンテック企業だけでなく、GAFAを中心とした巨大テック企業までもが次々にバンキング・サービスの提供を開始しています。金融がインターネットに飲み込まれる現象は現在進行形で起きている大きな潮流ですが、その次の変化の一つとして、暗号通貨やスマートコントラクトによる、信用を必要とする金融機関からの脱依存が期待できるのではないでしょうか。

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