融合進む「株×暗号通貨」投資、ソーシャルトレーディングのeToroが暗号通貨関連企業を買収

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Image Credit: eToro

ピックアップ:Investment platform eToro acquires crypto portfolio tracker app Delta

ニュースサマリー:ソーシャルトレーディング・サービス「eToro」は6日、暗号通貨ポートフォリオアプリケーションを運営する「Delta」を買収したと発表した。買収額は公開されていない。eToroは株式、暗号通貨の取引・管理を同時に可能とするコミッションフリーな取引所を運営している。

プレスリリースによればDeltaは6,000以上もの暗号通貨、180以上の取引所に対応しているという。また、アプリダウンロード数はeToroによって買収される現時点までに150万を記録していた。

話題のポイント:従来、投資というと初心者には使いにくいインターフェース、そして難しい専門用語がずらりと並んでいるというのが第一印象でした。しかし、トレードの自動化が一般的になるにつれ、特に知識がなくとも興味のある業界や自分の好きな企業名を入力するだけで自動でポートフォリオを選んでくれるサービス形態も増えてきています。

その中でもeToroはSNS要素を要り交ぜた「ソーシャルトレーディング」を特徴としている企業です。ソーシャルトレーディングはコピートレーディングともいわれているように、プラットフォーム内で戦績の高いユーザーのポートフォリオを参照したり、投資戦略についてディスカッションするコミュニケーション要素が高い点が特徴です。

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eToroのコピートレーディング画面は上図のようにデザインも新鮮でモダンな印象を受けます。いわゆるSNSインフルエンサーのように、アカウント一覧が表示されており、彼らのポートフォリオを参照することが可能です。

さて、eToroは従来の株式投資プラットフォーマーとして運営を続けてきました。しかし近年、暗号通貨に大きく注目していることを伺わせる動きを見せています。Facebookが主導するLibraとの取り組みも大きな例として挙げられるでしょう。

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Image Credit: eToro

上図は同社がコピーポートフォリオとして打ち出しているLibraのパートナー企業群に投資可能な商材です。最低投資価格も2,000ドルからと、比較的参加は厳しくない条件ではないでしょうか。

eToroの説明によれば、Libraメンバーに変更があった際はポートフォリオも自動的に更新されるとしており、投資における圧倒的な自動化を目指している象徴であるともいえます。機能だけを見れば株式と暗号通貨を同時に取り扱える便利なプラットフォームですが、両者を掛け合わせたことが可能となってくると投資の概念が大きく変わるきっかけになるかもしれません。

いずれにしろeToroが今回Deltaを買収したことで、今後も同プラットフォーム内における暗号通貨セクションの強化は実施され続けるのは確実でしょう。Delta買収をきっかけにeToroという企業の存在感が膨れ上がる契機となるのではと思います。

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