
上海市政府は中国の中央銀行にあたる中国人民銀行や他の5つの金融機関と提携、ブロックチェーンを使った貿易金融のためのアライアンスを設立する。
重要視すべき理由:これは中国当局がブロックチェーン開発を加速するための新たな決定の一部であり、最も直近の動きとなる。
- 環球時報が上海税関副所長の Ye Jian(叶建)氏の発言を引用して報じたところによれば、このブロックチェーンアライアンスは、税関における初のブロックチェーンプロジェクトであり、中国国際進口博覧会(進口は輸入の意)にとって最初のサービスプロジェクトとなる。
詳細情報:上海税関、上海市商務委員会、中国人民銀行や交通銀行など6行の代表は7日、中国国際進口博覧会の開催期間中、上海の電子口岸区(自由貿易試験区、通関証明書をペーパーレス化しているエリア)に関するブロックチェーンアライアンスの提案に調印したと、国営の環球時報が報道した。
- ロイターによれば、中国人民銀行上海支店と上海市商務委員会は7日共同声明を発表し、その中で両者は、ブロックチェーンが貿易金融における情報非対称を解決し、貿易に関する信憑性確認に役立つことを期待すると述べている。規制当局もまた、ブロックチェーンを用いることで、貿易機関に関わるコストが下がることを期待している。
- 中国建設銀行上海支店のディレクター Qi Hong 氏は、中国のブロックチェーンの金融におけるユースケースはまだ初期段階にあると述べている。
ブロックチェーンは現在、金融業界全体のチェーンではなく散発的な金融商品でのみ利用されている(Qi 氏)
- しかし彼女は、政府によるブロックチェーン開発の推進によって、ブロックチェーンがより包括的に適用されることを期待している。
背景:10月下旬、習近平主席はブロックチェーン開発を公に支持することを表明し、これにより多くの政府主導イニシアティブが展開されることとなった。
- 習氏がブロックチェーンに関する発言を行った数日後、中国当局は仮想通貨法を承認した。この新法は2020年1月1日から施行され、中国が計画するデジタル法定通貨などブロックチェーン活用例の導入に向けた礎となることが期待される。
- 中国人民銀行は、上海と周辺の長江デルタ地域でブロックチェーンを含むフィンテック開発の促進を目的として新たな措置を導入した。
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