意外にデジタル化が進む「倉庫事業」について語っておこう

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men going around a warehouse
Photo by Alexander Isreb on Pexels.com

今年を振り返ると人手不足に端を発した効率化、デジタルトランスフォーメーション(DX)の話題が増えたなと思います。言わずもがな労働力不足の傾向はこれからも続き、2030年には約7000万人の労働力需要に対して650万人の不足が発生する、という調査報告も出ています。

私たちが事業を手掛ける物流業界もまさにその対象です。物流は大きく分けて「陸送」と「倉庫事業」に分かれるのですが、ECの成長で話題になった「再配達問題」などは記憶に新しいかと思います。

同人に倉庫で発生している人手不足も顕著です。例えばフリマアプリなどの個人間売買が拡大したことで理解しやすいと思いますが、流通する荷物のサイズが小さくなっているのですね。結果、倉庫作業が煩雑化することで人手に対する負担が増えている、といった課題が発生しているのです。

ただ、このように書くと「倉庫ってなんだかアナログで非効率そう」と思われるかもしれませんが、実はこの人手不足の問題はかねてからの懸念材料で、Amazonによる「倉庫のロボット化」を筆頭に、効率化は着々と進んでいる分野でもあります。

私たちは個人事業主から中小企業を対象にしたクラウド型の在庫管理ソフト「ロジクラ」を通じてこれらの課題解決に取り組むスタートアップです。本稿では、どこにまだ非効率があるのか、少し分解して解説してみたいと思います。

実は着々とロボット化が進む倉庫

なかなかマニアックな図ですが、これが倉庫事業を俯瞰した業務フローになります。この中でデジタライゼーションが進んでいる領域とそうでない部分があります。

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例えば、倉庫に関わる仕事内容で「倉庫内の人が直接作業する領域」(ピッキング作業や検品作業など)に関しては、これまでにも人手不足が囁かれていたので改善が進んできています。分かりやすいのがAmazonの倉庫ロボです。今年春に、国内でもその全貌が報道陣に向けて公開されていました。

それに対して「倉庫内の人が直接作業しない領域」、例えば受注して倉庫に出荷の指示を送ったり、在庫を確認したりするといった事務作業に関しては、まだまだ改善が進んでいないかもしれません。

つまり、図で言うところの「倉庫内の人が直接作業する領域」を水平的改善とすれば、こちらはマテハン機器(運搬や荷役作業を助ける機器)によって改善が随分と進んだわけです。一方、「倉庫内の人が直接作業しない」垂直的改善はまだ余地が残っています。私自身、倉庫での実務を通じてこの点の課題を感じてきた一人でもあります(なので創業したわけですが)。

なぜ進まない倉庫のソフトウェア化

ではなぜ倉庫のソフトウェア化が進まないのでしょうか。

冒頭でも記述した通り、近年はECの成長が著しく、経済産業省の調査では2018年の国内ECは9.3兆円、小売全体の6.3%を占めるようになりました。注目すべきは成長率で、前年比8%強と勢いが止まりません。

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電子商取引に関する市場調査・経済産業省、平成30年調査より

当然ですが、この中には個人間売買や小規模な事業者も含まれます。フリマアプリやBASE・STORES.jpといったコマースプラットフォームの拡大は、データと取引情報の「細分化」生み出します。つまり、多種多様な事業者に倉庫側が対応しなければならなくなったのです。

さて、これら大量に持ち込まれる荷物のデータ、どのようにして管理していると思いますか?

人なんです。受発注データをアウトプットし変換、倉庫システムへインプットするのです。

というのも、これらECサイトや受注データをとりまとめるソフトウェアは、年々増加し機能も改善されていますが、やはり基幹システムや受発注システム同士の連携はハードルが高く、ここが一つの課題になっています。

さて、いかがだったでしょうか。

業界バーティカルでの効率化は今、まさにDXというキーワードで話題になっています。その一方、「人手不足」と一言で括っても、どこに非効率があるかによって必要な人材や解決方法は変わってきます。正しいポイントを見つけて取り組むことが肝要なのではないでしょうか。

<参考情報>

本稿は個人事業主から中小企業を対象にしたクラウド型の在庫管理ソフト「ロジクラ」を提供するニューレボ代表取締役、長浜佑樹氏(@yuki_nagahama)によるもの。彼らの事業や採用に興味がある方、彼らとの取り組みを希望する企業はこちらからコンタクトされたい