自宅で栄養管理できるデリバリフード「NOSH(ナッシュ)」、シリーズBで約4.6億円を調達——ニッセイC、マイナビ、ハウス食品のCVCなどから

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独自に開発した低糖質・高タンパク質・低塩分メニューの料理をデリバリするサービス「NOSH(ナッシュ)」を開発・提供するナッシュは2日、シリーズ B ラウンドで約4.6億円を資金調達したことを発表した。このラウンドに参加したのは、ニッセイ・キャピタル、マイナビ、ハウス食品グループイノベーションファンド(ハウス食品グループと SBI インベストメントによる運営)、SMBC ベンチャーキャピタル、広島ベンチャーキャピタル。

ニッセイ・キャピタルは、前回のシリーズ A ラウンドに続くフォローオンでの参加。ナッシュにとっては、2018年5月に実施したシリーズ A ラウンドでの3億円の資金調達に続くものだ。

ナッシュは2016年、連続起業家の田中智也氏らにより設立(設立当時の社名はミライエ)。独自に、低糖質・高タンパク質・低塩分でありながら、低価格で提供可能な弁当プレート、リゾット、間食メニューを開発。ユーザはオンラインやオフラインでオーダーし、冷凍宅配便で自宅やオフィスに料理をデリバリしてもらうことが可能だ。電子レンジや湯煎などで加熱するだけで、栄養バランスがよく美味しい食事を簡単に用意することができる。

NOSH の会員は約15,000人で、直近では月間生産量は20万食にまで達している。2018年4月に大阪・御幣島に開設した工場は月間20万食程度を上限に設計されているため、同社では兵庫・尼崎に食品工場を借り上げ、月間生産量上限を現在の1.5倍〜2倍にまで引き上げる方針。性能の良い急速冷凍機やグリラーなど新たな調理マシンの導入で味や品質を向上させ、作業効率化により、売単価を現在の568〜700円から全品568円統一にしたい考えだ。今回調達した資金の多くは、こうした設備投資に使われる予定。

NOSH の現在のメニューは約70種類で、毎月新たに8種類を追加し、反対にあまり評価の高くなかった8種類をメニューから下げるということを続けている。これまではマーケティングを死に物狂いでやってきたが、ようやく工場の進行管理などもできるようになり、よりプロダクト開発に本格的に乗り出せる態勢が整った。(田中氏)

ナッシュの従業員は70名ほどで、うち、メニューの開発のために管理栄養士が4人、シェフが4人在籍している。同社では、プロダクト開発に注力すべく、和食・洋食・中華の分野でシェフの追加採用する計画だ。アプリ( iOSAndroid )から手軽にサブスクリプション内容を更新できる便利さが功を奏し、NOSH のユーザの多くは都市部で日々仕事に勤しむオフィスパーソンたちだ。関東1都3県にもユーザは多いが、冷凍での配送にコストやスピード面での地域差はあまり出ないらしく、今のところ生産拠点は関西のみだ。

しかし、公開されている数値による限り、NOSH は直近の1年間で少なくとも数十%以上の成長を見せているため、尼崎の新工場がキャパシティオーバーに陥るのも、そう遠い将来のことでもない。今後このまま成長が続けば、生産拠点が関東や東海地域にも拡大することになるだろう。

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