システム開発やスタートアップスタジオ運営のSun*(サンアスタリスク)、初となる外部資金調達で農林中金から約10億円を調達

SHARE:
左から:取締役 平井誠人氏、取締役 梅田琢也氏、
代表取締役 CEO 小林泰平氏、取締役 服部裕輔氏
Image credit: Sun Asterisk

システム開発やスタートアップスタジオを運営する Sun*(サンアスタリスク、旧称:フランジア)は4日、直近のラウンドで農林中央金庫(以下、農林中金)から約10億円を調達したと発表した。ラウンドステージは不明だが、これまでブートストラップモードで運営されてきた Sun* にとっては初の外部資金調達となる。このラウンドはまだクローズしておらず、事業会社などから追加資金を集め、来年初頭と見られるラウンドクローズの段階で調達総額は約20億円となる見込み。

Sun* の創業は2012年。若い頃にホームレスを経験、エンジニアを経て創業した個性豊かな小林泰平氏が CEO を務めることでも知られる。多くの企業がデジタルトランスフォーメーションを図ろうとするとき、そこには開発のみならず運営をする人材と技術が必要になるが、これらをまとめて提供することで、企業が元来の本業に集中し続けられる環境を提供することを社是に掲げている。

一般的に、システムインテグレータ(SI)にシステム開発を依頼する際にはワンショットで費用を支払うことが多いが、Sun* ではサブスクリプションに近い形での開発受託の仕組みをとっている。発注する企業側は予算を固定費に組み入れやすくなり、請け負う側の SI(Sun*)はある程度の追加開発や仕様変更、柔軟な運用支援などを提供しやすくなるメリットがある。システム開発の SaaS モデルという捉え方もできるだろう。

企業にとって、キャッシュの調達のバリエーションは増えてきたが、人と技術の調達は依然として難しい。人口オーナスの状態を迎える日本にとって、国内だけで解決を図るのも難しい。(中略)

ベトナムなど GAFA などがまだ入り込んでいない市場で、日本で働きたいと思ってくれている人材がいる状況は、まさにラストワンチャンス。このチャンスを逃したら次は無い。会社を大きくするには、このタイミングで外部調達するのが最善だと思った。(小林氏)

Sun* では以前から、ハノイ工科大学、ベトナム国家大学ハノイ校、ダナン工科大学などと組んで学生の人材養成を行っている。人材が欲しい IT 企業にスポンサードしてもらう形で、学生は特別な授業料を必要とせず、即戦力になる最新の IT スキルを Sun* が提供する5年間にわたる講座を通じて習得することができるというものだ。目下、ホーチミンシティの大学にも展開する準備中で、フィリピン、マレーシア、南米などの他大学からも Sun* と組みたいというオファーが届いているそうだ。

農林中金はこれまでに農業・林業などに関連するスタートアップに出資する事例はあったが、今回 Sun* が農林中金から調達したのは、国内最大規模の資金を運用しているファンドという位置づけのようだ。事実、農林中金は65兆円規模の資金を運用しており、「長期的に IPO に向けた道のりを支援してくれそうな相手を選んだ(小林氏)」とのことだった。今後、発表されるであろうシナジーが期待できそうな事業会社からの調達も、同じコンテキストでアプローチしていると推測できる。

先頃資金調達を発表したテナンタが、Sun* の運営するスタートアップスタジオから輩出されたことは記憶に新しい。Sun* ではスタートアップスタジオ事業を通じて、大企業が必ずしも得意としない、ユーザを観察し共感してもらえるポイントをモニタし、仮説から製品づくりにつなげるプロセスで知見を得て、さまざまな大企業に製品開発の支援サービスとして提供することも目指している。

----------[AD]----------