中国の自転車レンタル市場で一抜け、「Hello Global(哈囉出行)」3億ユーザ突破

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A Hellobike rider waits for traffic on the streets of Shanghai on March 22, 2019. (Image credit: TechNode/Eugene Tang)

Ant Financial(螞蟻金服)が支援する中国の自転車レンタルプラットフォーム「Hello Global(哈囉出行)」は1月6日、発表された2019年の年次報告書にて、3億人以上の登録ユーザーを抱える中国最大の自転車アプリになったと発表した。

重要視すべき理由:中国の自転車レンタルブームが冷え込む中、後発企業であるHello Globalは、低所得者層地域への注力、自転車レンタル以外のビジネス拡大、Alibaba(阿里巴巴)のフィンテック部門である Ant Financialの支援により、競合企業「Mobike(摩拜単車)」と「Ofo(小黄車)」を追い越している。

  • データインテリジェンスプラットフォーム「Quest Mobile(貴士移動)」のデータによると、Hello Globalは2019年6月にアプリの月間アクティブユーザー(MAU)が2190万、Alipay(支付宝)上のミニプログラムでMAUが4160万で月間アプリランキング1位になった。なお、 Mobikeは同期間に1,318万MAU、Alipayミニプログラム(支付宝小程序)で3,580万MAUを記録した。
  • Hello GlobalやMobikeを含む中国の自転車レンタル企業は、持続可能なビジネスモデルへの移行を目指して、レンタル料金を引き上げている。

詳細:Hello Globalは中国内360の都市で事業運営をしており、電動自転車のレンタルサービスは全国260の都市で利用できる。 2019年1月に開始されたHello Globalのカープールサービスは300以上の都市で運営されている。

  • Hello Globalのユーザー層の約70%は1980年および1990年以降に生まれた、インターネットに精通したセグメントで構成されている。ただ、報告によると他の年齢層のユーザーが増加傾向にあるとのこと。 1960年および1970年以降に生まれたユーザーの割合は20%を超え、2000年以降のユーザーセグメントは10%に近づいている。
  • 2019年時点で合計475件の特許を登録。170件以上が発明特許であり、130件以上が出願特許であると述べた。
  • 設立以来3万を超える運用業務の職業を生み出しており、全従業員の15%は40〜50歳である。
  • 広報担当者によれば、“Hello Bike”および“Hello Transtech”の名前を利用していたが、モビリティ業界全体に拡大する2019年から“Hello Global”の名前を使用し始めたという。

背景:MobikeとOfoが登場したその2年後の2016年に立ち上がったHello Globalは、中国の小規模都市に事業を集中させた最初の自転車シェア事業者として急速に注目を集めた。

  • Hello Globalは、2017年10月に上海市場に上場した競合企業「Youon Bike(永安)」と合併した。
  • Ant FinancialはHello Globalが実施した7つの資金調達ラウンドのうち4つに参加。合計で18億ドルを調達した。
  • 中国の自転車レンタル市場は2018年に108億人民元(約1億5500万ドル)の規模があったという。分析機関のデータによると、低所得者層都市の成長と自転車レンタルサービスの市場理解浸透により、前年比73%の成長を果たしたという。ただ、レポートによると、2019年の市場成長率は前年比33%にまで減少すると予想されている。

【via TechNode】 @technodechina

【原文】

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