
ピックアップ:Monzo looks to raise up to £100m in new funding
ニュースサマリー:英国発のチャレンジャー・バンク(オンライン銀行)「Monzo」が、2020年後半に実施される見込みのシリーズGラウンドの先行調達という形で、近日中に新たに5000万ドル~1億ドルを調達する見込みだという。Financial Timesが12月29日に報じているもの。
報道によれば、現在同社は昨年6月に実施されたシリーズFラウンド(1億1300万ドルの調達)の既存投資家や新規の投資家らと協議を進めている最中とのこと。つまり本調達は、上述のシリーズFラウンドのエクステンション(拡張)として行われるということだ。
Monzoは2015年に英国で誕生した、急成長するオンライン銀行スタートアップ。Y-Combinator出身で、同じく英国の「Revolut」やドイツの「N26」と並んで銀行としての免許を持つ「チャレンジャー・バンク』と呼ばれている。昨年は評価額を2倍の20億ドル増加させた。
話題のポイント:さて、Monzoはこれからどのような成長を描き、市場シェアを伸ばしていけるのでしょうか。まずは市場競争に関して見てみましょう。
以下の画像は、Monzoと、既に紹介した「Revolut」及び「N26」、そして現在急成長中の新参「Starling Bank」といった、現在欧州地域で急成長する最も著名なチャレンジャー・バンクらのユーザー数を比較したグラフです。

<参考記事>
Moznoのユーザー数は現時点で約400万人と、3番手につけていることが分かります。そして実はRevolutとN26は既にEU外の国・地域への参入を開始しているため、同社は未だグローバルな視点でみても、若干の遅れを取っています。
<参考記事>
ただし、同2つの先行サービスはローンチ時期もMonzoより1〜2年早いですから、ユーザー獲得速度という観点では決して劣っているとは言えません。今後同社が英国での地盤固めを終えた後に、世界展開を開始する可能性は十分にあり、その際はユーザー数でN26を追い抜く可能性もあります。
そして、チャレンジャー・バンク系サービス全体に対し言える指摘として、ユーザーからメイン・バンクとして利用されにくいという問題があるのですが、特にMonzoは、2018年時点でデポジット額が以上4銀行の中でも最低で、首位のRevolutに2倍以上の差をつけられてしまっているという事実があります。

なお、このような結果に対し、Monzoは2019年、給与の早期振込機能の拡充などで対抗し、一定の成果を残していると言われています。
さて、競合との比較を交え、Monzoの成長を振り返りましたが、金融のデジタル化の波や大規模な調達による機能拡充、利便性の向上によって、チャレンジャー・バンクというムーブメントの進行は、今後もしばらく継続していくと考えられます。今後の同社の成長に期待が高まります。
<参考記事>
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