民泊市場と並行して広がる自宅のIoT化

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ピックアップThe Guild Raises $25M For New Short-Term Travel Stay Option

ニュースサマリー:トラベルスタートアップ「The Guild」は7日、シリーズBにて2500万ドルの資金調達を実施したと発表した。リード投資家はMaveronが務めた。また、Convivialite Ventures、MarkVC、ATX Venture Partners、Corigin、Nicol Investment Group、不動産ファームRXR Realtyも同ラウンドに参加している。

同社は2016年創業。ビジネス旅行者向けに民泊事業を展開する。不動産デベロッパーとの提携に努め、設備投資に力を入れているのが特徴。現段階では米国のみの展開で、オースティン、シンシナティー、ダラス、デンバー、マイアミ、ナッシュビルに施設を所有している。米国中部から東海岸に焦点を当てている。

話題のポイント:「旅のストーリーが個人を強くする時代」でも触れたように、「〇〇版Airbnb」の需要は今年も続いていく傾向にありそうです。本記事では「ビジネス旅行版Airbnb」が当たります。

今回資金調達を実施したThe Guildは、Airbnbとの違いをビジネス旅行者向け施設のデザインと位置づけています。ホテルライクなアミニティ提供や、不動産を丸ごとThe Guildのブランド物件として提供しているのが特徴です。ただ、こうした特徴は他の〇〇版Airbnb企業にも数多くみられる差別化戦略です。たとえば「Lyric」も同じ戦略を採用してブランディングを始めています。

そのため、民泊事業は飽和状態にあり新興スタートアップが誕生したとしてもイノベーティブなものは生まれにくく、市場として盛り上がりに欠けます。一方、ここ数年大きく成長しているIoT市場は民泊と大きな親和性を見せ始めており、レッドオーシャン化している民泊市場にインパクトを与えつつあります。IoTを介した鍵の受け渡し自動化により、空き家の再活用を促すことに成功している事例はその際たる例です。

ビジネストラベル特化型では、チェックインからチェックアウトまでのシームレスな体験提供を売りにしている場合が多く、The Guildも例外ではありません。同社ではIoTを利用した鍵の受け渡し端末を開発・運営する「KeyCafe」とパートナシップを結び、ストレスを感じさせない民泊利用の体制を整えています。

バケーションレンタル・民泊市場の成長に並行して大きく伸びているのが、上述したようなIoT市場です。なかでもスマートロックが民泊と非常に相性の良い領域であるのは明らかでしょう。

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Image Credit: iProperty Management

スマートホームのコンサルティング事業を展開する「iPropertyManagement」によれば、2019年において260億のIoTデバイスが既に利用されているとしており、今後も順調な増加が見込まれているとしたデータを公開しています。そのうちの約15%がスマートホームへの利用だとされていることから、約39億のIoTデバイスが住宅物件へ導入済みということになります。

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米国において、セカンドハウス(第二の住居)を保有する世帯は900万とした統計が出されています。もちろん民泊として利用せず、賃貸契約されているケースもありますが、同統計によれば全体の約25%が賃貸として利用、残りは家族用の別荘としての利用がメインとなっているとされています

そこで、セカンドハウス市場がKeyCafeやその他IoTデバイスの導入を通じ、直接管理が不要になれば、さらに民泊化可能な物件数の増加が見込めます。IoTでなくとも「Leavy.co」のようなオンデマンド・ホストによる経済圏が出来れば、だれもが簡単に民泊経営することが可能となります。

日本においても、こうしたセカンドハウスや空き家の絶対数は今後も増加傾向とされており、新たな市場として注目を集めています。

<参考記事>

〇〇版Airbnbのビジネスモデルはどこも被り始めており、新規性を見出すことが難しくなりつつあります。しかし、関連サービスで成長を遂げているマーケットをうまく活用したモデリングを展開していくことで、市場の中でも一歩抜け出せる可能性が高くなるのではないでしょうか。