地元メディアの報道によると、中国の越境eコマースサイト「Ymatou(洋碼頭)」が数千万ドル規模のシリーズDラウンドを完了し、同国のSNS「Weibo(微博)」から資金調達を受けたことを1月14日に発表した。
重要視すべき理由:コンテンツドリブン型のeコマースは中国では一大ビジネスだ。eコマースサイトとの統合は、2009年にローンチされたWeiboにとって、ソーシャルコマース分野も含む他プラットフォームと競う上で追い風となる。
- Weiboは9月にXiaohongshu(小紅書・RED)の競合となる「Oasis(Lvzhou=緑洲)」を展開している。ライフスタイルを取り上げる越境eコマースアプリであるXiaohongshuとの競争をかわすのがその意図だ。
- Ymatouは新たに調達した資金により、Alibaba(阿里巴巴)の後援を受けるKaola(網易考拉)、JD(京東)の越境eコマース部門Vipshop(唯品会)といった大規模なプレイヤーと競う上で、より強化された財政状態で臨むことができる。
詳細情報:Weiboの他、ネットセレブのNiurouge(牛肉哥、またの名を“Beef Brother”)も1億人民元(約15.7億円)をYmatouに投資し、同社のビジネスパートナーとなった。Douyin(抖音)に578万人のフォロワーを持つBeef Brotherは、自身の1万7,000件を超えるショートビデオを活用し、合わせて10億人民元に相当する商品の販売に貢献している。
- 今回の新たな資金を利用し、ショートビデオやライブストリーミングを活用した戦略が検討される。この2つの機能の拡大は、特に過去の光棍節(独身の日)の販売数を考慮すると、eコマースプラットフォームでは標準的な技法になりつつある。
- Ymatouの設立者兼CEOのZeng Bibo(曽碧波)氏は、13日に上海で開催された資金調達の発表式で、Ymatouは2019年は利益を出すことができたと述べた。
- WeiboはYmatouとのパートナーシップのもと、マーケティングやKOL(キー・オピニオン・リーダー)として知られるインフルエンサーへのアクセスといったリソースを開放し、アクセス数上昇とYmatouブランドの構築を後押しする。
- 中国発の同社ロジスティクス部門Xlobo International(貝海国際速逓)は、15の国と地域を網羅する。国境を超える場合でも5日以内の配送を約束していることで知られる。国内配送に関しては宅配便業者のSF Logistics(順豊速運)と協力している。
背景:2009年に設立されたYmatouは、消費者間取引(consumer-to-consumer、C2C)と生産者から消費者取引(manufacturer-to-consumer)を扱うeコマースマーケットプレイスである。越境コマースや海外の有名ブランドの特別セールに重点を置く。
- 上海を拠点とする同社が受けた直近の資金提供は2017年で、China Merchants Global(招商局集団)から1億米ドルを調達している。
- Weiboは2018年末に、コンテンツドリブン型のeコマース、KOL、俳優、仲介業者を支援するため、今後2年かけて20億人民元を投資する計画を発表している。
- AlibabaがNetease(網易)の越境eコマース部門Kaolaを9月に約20億ドルで買収した。これにより、成長しつつある中国の越境eコマース部門に支配的なプレイヤーが登場した。調査会社Analysys(易観)のデータによると、AlibabaとKaolaを合わせると越境eコマース市場の占有率は半分を超える。
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