2020年に注目される100のマーケットプレース・ビジネス(トラベル編まとめ)

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Airbnb Pitch Deck

ピックアップ:The a16z Marketplace 100

前編からの続きです。Airbnbが公開した資料によれば、半数以上となる57%のアメリカ人が既に「モノより体験」重視へと変化を遂げており、そのうち37%は2020以降「経験」へ支出する割合を増加させることに意欲的だとしたデータを公開しています。

特に、ジェネレーションZ世代・ミレニアル世代の価値観は「体験重視」が一般化してきており、収入のほとんどを「体験」へ利用する傾向にあるといいます。同社内部データによれば、そのようなジェネレーションZ世代はYoYで190%増、ミレニアル世代はYoYで102%増の成長率だったそうです。

ところでこのような「体験」の代表格が旅行です。

Airbnbを筆頭としたP2P型のマーケットプレイスの登場で価格破壊が生じ、金銭理由で制限される要素は少なくなりました。また、ただ観光地を訪れるだけでなく、若者世代特有のオリジナリティー性に対する需要へ対応できるマーケットプレイスがこれからのトラベル市場へ求められることになりそうです。

そこで以下に、a16z marketplace100にて、トラベルカテゴリーとしてランクインしたスタートアップをGMV上位順に並べてみました。上述したオリジナリティー性を満たすような企業はランクインしているでしょうか。

Airbnb(創業:2008, ラウンド:上場)

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主な投資家Andreessen Horowitz, Y Combinator
これからの競合:Leavy.co, Globe

概要:言わずと知れたホスピタリティー・トラベル業界をリードするスタートアップ。今回のa16 z Marketplaceにおいてもオンライントランザクションデータ(GMV:流通取引総額)において堂々の1位を獲得し、トラベル・マーケットプレイスの代表格であることが分かる。

a16zが「成長するマーケットプレイスとは何か」を語るうえで必ず登場するのがAirbnbのストーリーでもある。まさに、サービスのエバンジェリストを生み出すプラットフォーム設計としてロールモデルとなっている。

近年では、競合他社の買収を試みており、HotelTonightやUrbandoorの買収に昨年成功している。

Vacasa(創業:2009年, ラウンド:シリーズC)

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主な投資家:New Spring Capital, Riverwood Capital
これからの競合:Sonder, Airbnb

概要:Airbnbと同時期に創業したオレゴン州ポートランドをベースとするバケーションレンタルスタートアップ。北米・中南米、ヨーロッパでの事業展開のため、アジア方面での認知度は低い印象を受ける。

民泊のプラットフォームとしてAirbnbと差はないが、家主に変わりリスティングや自宅管理等の代行サービスがある点が特徴となる。

Outdoorsy (創業:2014年, ラウンド:シリーズC)

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主な投資家:Berlin Ventures, Altos Ventures
これからの競合:RVShare, Turo

概要:RV(キャンピングカー)を貸し借りできるP2P型マーケットプレイス。車中泊を楽しむバンライフという言葉も一般的になり、短・中期でのレンタルが主流。車の個人間シェアの観点で競合にTuroを挙げたが、利用ユーザー層は大きく違う印象。

例えばAirbnb上でもRVを家としてリスティングするケースも増えてきているように、RVを市場が「空間」として捉え始めていることが分かる。バンライフはまさに、若者が求める自然とのタッチポイントとしての経験に相応しいといえ、レジャーに欠かせないマーケットプレイスとなりそうだ。

RVShare(創業:2013年, ラウンド:不明)

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主な投資家:Tritium Partners
これからの競合:Outdoorsy

概要:Outdoorsyと同じく、RVシェアリングのマーケットプレイスを運営。HomeAwayへ投資も手掛けるTritium Partnersから5000万ドルの資金調達を実施している。米国における、RVマーケットプレイスとしてはOutdoorsyとRVShareが二台巨頭となっている。

TourRadar(創業:2010年, ラウンド:シリーズC)

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主な投資家:TCV, Speedinvest
これからの競合:GetYourGuide, Klook

概要:マルチデー(2日以上)の現地ツアーに特化したマーケットプレイスを運営するスタートアップ。競合他社は1日から長くても4日程度のローカルツアーなのに比べ、同社では2週間などの長期にわたるツアーを中心としているのが特徴。

ソロトラベラー、ゲイに特化したツアーや。ボランティア活動を中心とするコンテンツのツアーなどの枠組みも用意されており長期間のツアー予約サイトとしてブランド化されている。

FlightHub(創業:2012年, ラウンド:不明)

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主な投資家:不明
これからの競合:Skyscanner, Student Universe

概要:カナダ・ケベックをベースとするOTAマーケットプレイス。Skyscannerと同様に、格安航空券をひとまとめに検索することが出来る。特にカナダ発北米・ヨーロッパ・アフリカのフライトディールが多いのが特徴。

競合と言えるSkyscanner Canadaとはパートナーシップを組んでおり、Skyscanner上でFlight Hubのチケットを見つけることが可能となっている。

HipCamp(創業:2013年, ラウンド:シリーズB)

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主な投資家:Andreessen Horowitz, August Capital
これからの競合:Outdoorsy, RVShare

概要:キャンプ場版Airbnbの名を持つHipcampは、個人所有の土地をキャンプ地として貸し出すことが可能なマーケットプレイスを展開。米国における土地はその60%が私有地となっており、何も利用されていないことも多々ある状況だった。

既に同社プラットフォームには9217件の国立公園、1万8030件のテント専用キャンプ場、36万3067件のキャンピングカー用キャンプ場がリスティングされている。大きな敷地でなくとも、RV専用のぱーきんスペースをシェアできるというのはイノベーティブであるといえ、小規模から大規模まで「ランド・シェアリング」という新たな概念を持ち込んだ。

Boatsetter(創業:2013年, シリーズA)

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主な投資家:Nordic Eye Venture Capital, Global Founders Capital
これからの競合:GetMyBoat

概要:ボートに特化したシェアリングマーケットプレイスを展開。Airbnb for Boatsと表現されることが多い。特徴には、ボートオーナーをキャプテンとして「シェアリング」することも可能な点。そのため、船舶免許や少人数であっても運転への不安なくボートという「空間」を気軽に利用することが出来る。

Vacatia(創業:2013年, ラウンド:シリーズA)

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主な投資家:Peterson Ventures, Bee Partners
これからの競合:Airbnb Luxe, Sonder

概要:家族層に特化したバケーションレンタルマーケットプレイスを展開。滞在の際にはホテルライクなサービスを受けれることから、SonderやLyricに近いモデルと言える。また、高級バケーションレンタル地としてのコンセプトとしてはAirbnbが手掛けるAirbnb Luxeと被りそうだ。

ということでランキングには、やはり民泊系とOTA系が目立つ結果となりました。GMVという観点でいえば納得だが、上位にアウトドアをベースとした事業があることも着目すべき観点です。これからのトラベル市場には若者世代特有のオリジナリティー性に対する需要を満たす必要性があります。a16zが述べるように、マーケットプレイスを成長させるうえで欠かせない「エバンジェリスト」の育成への相乗効果も見込めるからです。

その意味で、同ランキングの中でもOudoorsyやRVShare、Hipcamp、Boatsetterは今後GMVという観点でも認知度という観点でも一気に成長をしていく可能性が高いと考えています。

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