香り×テクノロジーのコードミー、ソリューション・フレグランスで医療や介護施設の環境改善へ——江戸川病院で臨床研究を開始

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前方から3人目が明星智洋医師。5人目がコードミー代表取締役の太田賢司氏。
Image credit: Code Mee

アロマのサブスクリプションサービス「CODE Meee ONE(コードミーワン)」の運営などで知られるコードミーは11日、独自の調合アロマを医療・介護施設で活用していくことを念頭に、江戸川病院での臨床研究を開始すると発表した。

今回の医療現場や介護施設への参入は、CODE Meee ONE と同じく、科学的観点から働く人の「コンディション」を香りで最大化するソリューション・フレグランスというアプローチの一つだ。

医療・介護施設には、医療に関連する匂い(疾患、薬剤など)と生活に関連する匂い(排泄など)に由来する特有の匂いがあり、患者・介護者・家族の精神的負担になっている。特にがん医療の現場では、がん組織に由来する特有の腫瘍関連の匂いが日常生活に関わる問題となりながらも、根本的な解決策は確立されていなかった。

コードミーの創業者で代表取締役の太田賢司氏は、フレグランスメーカーの立場からこの課題の解決に協力したいと考え、がん治療の第一人者である江戸川病院がん免疫治療センター長の明星智洋氏に相談。江戸川病院の施設内には、「職員が楽しく働ければ、必然的に患者へのサービスが向上する」という考えから遊び心溢れる視覚的な仕掛けがなされており、視覚的要素に加えて嗅覚的要素にも着目しようとの観点から、臨床研究に協力してもらえることになったという。

江戸川病院の内装は、前衛的なアートで彩られていることで有名。
Image credit: Edogawa Hospital

ソリューションフレグランスを、これまで人々にリラックスしてもらう狙いでオフィス空間を中心に展開してきた。しかし、医療や介護の現場の方が、状況はよりクリティカルだ。今回は、そんなクリティカルな社会課題を解決する試みの第一号となる。(中略)

Hyper medical creator の肩書を持つ明星先生は、がん診療の最前線で医師としても名声・実績を持つ方。コードミーのビジョンに共感いただいたので、今後、顧問にも就任いただく予定だ。(太田氏)

コードミーでは、提供するフレグランスが患者・介護者・家族のストレスを軽減し QOL 向上に役立つことを測定した脳波など科学的根拠のあるデータで示したいとしている。臨床研究の結果は、専門学術誌に論文の形で発表されることを期待したい。

CODE Meee はシードラウンドで、2017年にサムライインキュベートからの資金調達と、政策金融公庫から資本性ローンによる融資、2018年にサムライインキュベート、Globis Venture Challenge、かながわサイエンスパークのインキュベータであるケイエスピー、グローカルリンクから非開示額の資金調達を実施している。

昨年は、Plug and Play Japan 第1期IVS 2019 Summer in 神戸の Launchpad ファイナリスト、電通のスタートアップ支援「GRASSHOPPER」2019年冬バッチに採択された。大企業との協業では、フジクライノベーションハブ「BRIDGE」で香りを使った PoC 、ソニー・ミュージックエンタテインメントと関連アーティストのフレグランスをライブ会場で販売する PoC を実施した。

今年は、グロービスのアクセラレーションプログラム「G-STARTUP」の第2期に参加することが明らかになっている。

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